「お前にとって必要で、それでいてそんな思いを持っていることすら嫌な世界。それが『のっぽのいない世界』じゃないのか」
その言葉を否定しようとしたが、すぐに言葉は出てこなかった。
きっとそう。
ケイがいない間は、優子の世界にはきっと俺が住んでいたんだ。
この時のまま、ケイが来なければ。
そうであればきっと優子の世界が変わっても、その中心には俺の立ち位置があったはずだ。
ずっと早くから、彼女を想っていたのだから。
俺がなにも言わないのを見て、金髪が舌打ちをする。
「図星かよ。ったく」
「金髪さん!」
「はいはいはい、俺が悪」
「そこまで!」
三井さんが金髪の発言を 遮(さえぎ)った。
彼女の方を見ると、ケイ達がロータリーを横切ってくる姿が見えた。
「あらら。結構いい感じに集まったわね」
俺達の戦利品に加え、ケイ達は商店を回ってア*******
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