この作品はいかがでしたか?
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…私は、いつか立派な剣士になって
主人に仕える
そう決めていたし、そうなると信じていた
お母様…エマ・シャーロットは剣技のプロ
お父様…レオル・シャーロットは執事の偉い人
そう聞いていたから、主の攻撃、右腕として、生きて行く
そう、信じて疑わなかった
「ッ…なんで…!」
私は、剣技の才能が無かった
嗚呼、それに試しでやってみた魔法が
とてもとても、才能に満ち溢れているでないか
どうして?と、悔やんだって仕方ない
親は既に、剣技を諦め魔法に力を注いでいる
だけど、両親は共に、魔法なんか扱った事がない筈だ
その時から
「あ、アレが、ユラって云う_w」
「あー!あの、剣の才能を持った親なのに_w」
「実は、父親が浮気して魔法の能力者と子を授かったとか云う_w」
とか、云う、根も葉もない噂が飛び交っていた
「お父様!」
「…どうしたんだい?ユラ。此方においで」
「…うん、!」
こんな事があったにも関わらず、お父様は優しく受け止めてくれる
…でも
「…レオル…って、ユラ!こっちに来なさい!」
「あ…ッ!」
お母様は、お父様が嫌いだ
そりゃあ、当然だろう、私のせいでこんなことに…
って、あ…ッ
「「ユラ、大丈夫/かい?」」
「う…うん、ちょっと、擦りむいた、だけ」
手を引かれた拍子、足を縺れさせてしまったみたいで
右膝がじんじんと痛む
「…ッ..ポロッ」
膝はそこまで痛くない、膝が痛いんじゃ無かった
でも何故か、私の瞳からは涙が溢れてくる
「ねぇ…ッ、お父様ぁ…ッ!如何して…ッ?仲、悪くなっちゃうの…!」
私の記憶のお父様は、優しくて、浮気なんかする人じゃ無かった
私の記憶のお母様は誠実で、誰かを嫌う行為なんかする人じゃ無かった
それなのに、私のせいで、こんなことになるなら
「私のせいなら…私、此処から、出てってもいいから…ッ!」
だから、
「だから…お母様もお父様も仲良くなってよぉッ…!ポロ」
泣きじゃくった、赤子の様に
涙は枯れなかった
お母様もお父様も泣いていた
呻き声は、嗚咽は聞こえなかった
でも、時々、鼻を啜る音が聞こえた
あぁ、私と同じだ_って
その時、感じた
私も、お父様も、お母様も、誰も、嫌いになってなんか居ない
少しだけ、壁があっただけだ
「ごめんね、ユラ…それに、エマも…でも、信じて欲しいんだ…」
「判ってるわ…私も、御免なさい、考え無しに疑って…」
「_!」
仲直り、してくれた…!
「えへへっ…お母様、お父様!」
「…?何かな、ユラ」
「どうしたの?」
「大好きだよ!」
ふふ、と、二人の顔に笑顔が生まれる
「嗚呼、勿論、僕もだよ」
「えぇ、そうね」
…そうして、私はまぁら様のメイドになった、剣技は使えないけれど、地位だって、高くはないけれど
新人の、魔法使いのメイドとして、新しい道を歩むのだった_
コメント
4件
とうこう ありがとぅっ!ゆらさん くるしめたやつ…ゆるさん…… 1000いいねげっと!