車を走らせ着いたのは、なんとテレビでよく見る有名な老舗旅館だった。予約がなかなか取れない宿って聞いたけど、まさかそんないいところの宿泊券を譲ってもらえるなんて……。芥さんの同僚さん太っ腹だなぁ。
「こちらです」
「!」
二人で泊まるにしては広々した豪華な室内に、畳のいい匂い。刺繍のキレイな座椅子や木で出来たテーブルに掛け軸、何気なく置かれている物全てが一目でいいものだと分かる。
なんて贅沢な部屋なんだろう。目を輝かせていると、仲居さんが浴衣を二着持ってきてくれた。薄ピンクと淡いラベンダー色、どっちも可愛い。
「どちらになさいますか?奥様は可愛らしいからピンクの方が良さそうですけど……」
「奥様?」
「ピンクの方が似合うな。こっちで」
「えっ」
「ほら、旦那様もそう言ってますし、ピンクにしましょう」
「!」
奥様に旦那様?!あまりの驚きに固まってしまった。
仲居さ*******
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