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30 - 【番外編・②】第2話 玩具遊戯(日向司・談)

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2023年09月27日

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何も知らない唯が、適当な歌を歌いながらキッチンで料理をしている。匂いからして今晩はチーズを使った料理みたいだが、グラタンか何かだろうか?

出来上がりを楽しみにしつつ、カバーのついたままの本や手錠、透明な袋に入ったままのネクタイを居間の真ん中に置かれたテーブルの上に並べる。テーブルの側に残りの品々の入った紙袋を置き、軽く咳払いをした後、調理中である唯の居るキッチンへ向った。


相変わらず唯が楽しそうに調理をしている。

なんだかとても嬉しそうで、今訊くのは悪いかなーともちょっと思ったが、気になった事を放置しておけない俺は、唯が背中を俺に向けたタイミングでそっと近づき、手で妻の視界を遮った。

「わぁ!ビックリしたぁ」

そう言いながらも、唯の声はちょっと楽しそうだ。

「だーれだ?ってやつ」

なんて言いながら、そっと俺の手に手を重ねる。

「二人しか居ないのにやらないよ、そんな事」

「…… その発言は、たまにやる私への冒涜行為だよ、司さん」

「すまん。でも唯は可愛いからいいけど、俺には似合わないから」

「そうかもね」

唯はにこやかな雰囲気だ。これから何を訊かれるのかわかっていないのだから当然だろう。そう思うと、唯を苛めたい衝動に、少しだけ火がついた。

唯の目を隠したまま、「ちょっと今いいか?」と訊くと「大丈夫だよ、今丁度少し時間空いたし」と答えをもらえた。

「よかった、ちょっと確認したい事件があるんだ」

「やだ、事件だなんて。何?まさか、ドラマに出てくる刑事みたいに、奥さんと事件の相談とか?」

唯の小さな身体をギュッと前から抱き締め、持ち上げる。ちょっと息がしにくいかとも思ったが、彼女の頭を俺の胸に少しだけ押し付けて周囲を見れない状態にした。


居間の方まで彼女をそのまま運ぶと、唯を物証の並ぶテーブル側に置かれたソファーに座らせた。俺の方だけを見ていて、「どうしたの?」なんて笑いながら唯が言う。

「あれ、見て?」と告げながらテーブルを指差すと、唯が促されるようにそっちに顔を向けた。

「 ……… 」

思考が停止したのか、唯から言葉の出てこない。

「何?これ」

無言の唯の傍を離れ、対面に置かれたソファーに座ると、俺は膝に頬杖をついた。



——話は振り出しに戻り、恥ずかしさに泣く妻を今は優しく抱き締めている所だ。

「牛乳でも温めてくるか?」

気持ちを落ち着けるにはいいかもしれないと思いそう声を掛けたが、無言で首を横に振られた。困ったな、ここまでへこむとは正直考えてなかった。んじゃせめてこれくらいと思い、『別に嫌った訳じゃないんだぞ』と、気持ちを込めながら抱き締める腕に力を入れてみる。すると、少し気持ちが落ち着いたのか、唯がボソボソと小さな声で、「…… もらったの」と呟いた。

「男からか⁈」

「まさか!」

唯が大声で即答する。

「…… 友達に。『マンネリ打開に買ったけど、必要なくなった』って」

「断れなかったのか」

「…… だってぇ…… 」

「そうだよな、うん。唯は友達が絡むと、なかなか断れないもんなぁ」

ちょっと楽しくなってきた俺は、少し微笑みながらそう言い、唯の頭を撫でた。

「もらった物を捨てる事も見せる事も出来なくって、隠した。そんなところか」

その言葉に唯がコクッと頷く。

「んでもだ。さっきの『出来心だった』発言は気になるなぁ」と少し意地の悪い笑みを浮かべながら蒸し返すと、唯の体がビクッと震えた。

「あ、あれは別に深い意味なんかっ」

茹蛸みたいに顔を真っ赤にし、唯が叫ぶような声をあげる。

「本当は、『興味もあったから捨てれなかった』なんだろう?そうじゃないか?これだけの物証を前にして、嘘はいけないよ、唯」

クイッと唯の顎を軽く持ち上げると、唯の顔がひどく困ったと言いたげな表情になった。


——図星か。


口の端で少し笑うと、未開封だったネクタイに手を伸ばし、それを袋から出す。

「ネクタイか。どう使いたかった?手錠が別にあるから、目隠しか何かか?」

唯の目の前にそれをかざし、少し揺らしながら訊く。恥ずかしさからなのか、唯が視線を俺から反らしたので、ネクタイを妻の頭にクルッと巻きつけ、縛ってみた。

唯が「ひゃっ」と短い悲鳴をあげる。

視界を遮られ、少し動揺する唯の姿に気持ちが高ぶってきた俺は、今度は手錠を手に取った。

ネクタイに手をかけ、咄嗟にそれを取ろうとする唯の腕を掴むと、右手首に手錠をはめ、その腕を背の方へ移動させてから今度は左手首にも手錠をはめて後ろ手に拘束した。

「つ、司さん⁈」

焦ったような色を帯びる唯の声。外れるわけもないのに、唯は腕を動かして手錠を外そうとソファーの上でもがく。

「本物じゃないが、その程度じゃ外れないんじゃないかな」

意地の悪い声でそう言いながらテーブルに置いてあった小さな鍵を手に持ち、その鍵でそっと唯の頬を撫でた。冷たい無機質の鍵が、高揚し、赤く染まる唯の肌の上をゆっくりなぞると、ソレを動かすたびに妻の体がビクッと動く。

「気持ちいんだ?自由も視界も奪われた、この状態が」

「べ、別にそういう訳じゃ…… 」

「意地を張るなんて唯らしくないな、いつもは素直に何でも喜んでくれるのに」

頬から首筋、鎖骨をなぞり、豊かな胸の膨らみを服の上から鍵で撫でる。

「だって、こんな事普通じゃ…… んあっ」

粗い息遣いでそう言う唯が可愛くてしょうがない。いつもとは違う行為に、俺まで少し呼吸が雑になってきた。

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