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#恋愛
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#孤独
デュラハン軍。
そしてロストウィルム軍。
両軍がぶつかり合ってから、すでにかなりの時間が経過していた。
しかし。
戦況は、ほとんど動いていない。
「押し込めぇぇぇ!!」
「下がるな!!陣形を崩すな!!」
前線では怒号が飛び交う。
剣と剣がぶつかり、魔法が砂地を吹き飛ばす。
だが、どちらも決定的な一手を欠いていた。
ロストウィルム軍、後方。
大型のテントがいくつも並んでいる。
その一つ。
簡易的に設置された作戦本部では、複数の兵士が慌ただしく動いていた。
机の上には戦場の地図。
その周囲には、いくつもの小型端末。
空中を飛んでいたドローンから送られてくる映像が、次々と画面へ映し出されている。
「第一部隊、現在位置を確認!」
「第一部隊、交戦を継続しています!」
「第二部隊は!?」
「デュラハン軍の増援と接触! 現在、押し返されています!」
「くっ……」
報告を聞いていた兵士が、額の汗を拭う。
その隣。
静かに戦況を見つめる女性がいた。
リシア・エルフェルト。
現在の白銀騎士団の指揮を任されている。
彼女の前には、大きく広げられた戦況図。
赤い駒と青い駒が、いくつも並んでいる。
「敵軍の動きは?」
「大きな変化はありません」
「索敵映像を」
「こちらです」
画面が切り替わる。
上空から見下ろした戦場。
砂煙。
兵士。
魔法による爆発。
その奥には、デュラハン軍の巨大な陣地が見える。
リシアは映像をじっと見る。
「……妙ですね」
「何がでしょう?」
「敵が動かなすぎます」
「戦況が膠着しているからでは?」
「それだけならいいのですが……」
リシアは画面を拡大する。
デュラハン軍の後方。
そこに複数の部隊が待機している。
「予備兵力を温存している」
「……!」
周囲の兵士たちが画面を見る。
「こちらの消耗を待っている可能性があります」
リシアはすぐに別の端末を手に取った。
「ユナ」
「はい!」
少し離れた場所にいたユナが振り向く。
「王都への報告を」
「現在の戦況と、敵の予備兵力についてですね?」
「ええ、お願い。」
ジジジッ……。
ユナの手元にある魔道具が突然反応した。
同時に、王都との連絡に使用していた通話機から小さな電子音が鳴り響く。
「……?」
ユナが通話機を確認する。
「副団長、王都からです。読み上げます」
リシアが顔を上げる。
「どうぞ」
ユナは届いた命令書を確認し、読み上げた。
「白銀騎士団は、直ちに戦闘へ参加すること。とのことです」
「…………」
リシアはしばらく黙っていた。
そして、
「……っち」
小さく舌打ちする。
「戦闘もろくにできないじじぃどもめ。今、私たちが動いたとしても……」
その瞬間。
テント内にいた兵士たちの視線が、一斉にリシアへ向いた。
「…………」
「…………」
「…………」
リシアは周囲を見渡す。
全員、無言。
「んんっ!」
リシアは咳払いをした。
「少し言葉が荒くなってしまいましたね」
何事もなかったかのように姿勢を正す。
「王都からの命令は了解しました。白銀騎士団はこれより戦闘に参加します」
ユナが尋ねる。
「ですが副団長、現在の戦況では我々が前線へ移動すると、後方の防衛が手薄になります」
「分かっています」
リシアは地図へ視線を落とした。
「だからこそ、全員を動かす必要はありません」
指先で地図上の一点を示す。
「第一部隊と第三部隊はここに残す。敵が動いた場合、すぐに対応できるように」
「では、白銀騎士団本隊は?」
「私とドラン、セラ。そして動ける者だけで前線へ向かいます」
「副団長自ら……?」
「命令ですから」
「ユナは引き続き索敵、報告をたのみます」
リシアは立ち上がった。
そして、テントの入口へ向かいながら振り返る。
「それに……」
一瞬だけ、その表情から笑みが消えた。
「何かがおかしい」
地図に記された敵軍の後方。
先ほど確認された、巨大な魔力反応。
「敵が動かない理由を、前線に行って直接確かめます」
テントの外では、遠くから再び爆発音が響いた。
ドォンッ!!
リシアは剣を腰に携える。
「では、行きましょう」
コメント
1件
うわ、今回の第38話めっちゃ热かった…!リシア副団長、王都の命令に思わず舌打ちしちゃうとこで「あ、この人できるけど人間なんだな」って感じがして一気に好きになったわ。戦況が胶着してるのに敌が予備兵力を温存してる、その违和感を前線で确かめに行くって判断とか、戦術眼と行動力がエグい。次话で何が分かるのかマジで楽しみ🔥