テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
あの事件以来、更に洋平は、美優と心美を気遣い、
大切にした。
「美優〜」
「な〜に?」
「そろそろ、ここちゃんのオムツ替える?」
「うん、お願〜い」
「は〜い」
何度もやっていくうちに手際が良くなり、スムーズにできるようになった洋平。
仕事で忙しい中、お休みの日は、洋平が率先して育児してくれるのが嬉しい。
「ウンチも平気になったね」
「うん、まだぎこちないけど、ここちゃんのだから大丈夫!」
「うんうん、最初は、すぐにオムツを閉じてたものね。手についた〜って大騒ぎして〜ふふ」
「だって……慣れてなかったんだもん」
「うん、すごい成長!」
「へへ。ね〜美優!明日、誕生日だよね、おめでとう♡」
「あ、忘れるところだった。」
「3月14日ホワイトデー」
「うん、バレンタインデーも生チョコしか作れなかったし……」
「ううん、十分だよ。今日は、ここちゃん預けてデートしよう♡」
「え?」
「昨日、お|義母《かあ》さんにお願いしたら、喜んで!って……」
「ふふ、そうなんだ。あ、じゃあ母乳、冷凍してるのを持って行かなきゃ」
「うん、美優が行きたい所へ行こう。
ショッピング?」
「あ、うん、服とか新しいの買いたい!」
「うん、じゃあ、ショッピングして、2人でゆっくりご飯食べよう」
「うん、嬉しい〜♡ありがとう〜洋平」
ぎゅ〜
──あ、美優、それは……嬉しい♡
チュッ
──あー美優〜もっと〜
思わず手を掴んで引っ張ってしまった
「ん?」
「美優がそんなことするから……♡」
優しいキスを落とした♡
「ふふ♡ありがとう。用意しよう」
「うん」
美優が喜んでくれてるのが一番嬉しい。
出産後1ヶ月間、実家に帰ってから、なかなか帰れずだった。
ここちゃんに会いたくて会いたくて仕方がない様子の美優の両親。とても喜んでくれた。
「ここちゃ〜ん、会いたかったよ〜♡」
目尻を下げた父が、玄関から出てきた。
総務部長の威厳など微塵もない、じ〜じの顔だ。
しかし、抱っこするのは、まだ少し恐いようで、
母に任せている。
「ここちゃん、《《あーちゃん》》よ〜」
「《《ば〜ば》》とは呼ばせないからね〜」という|拘《こだわ》りらしい。
「では、よろしくお願いします」
「お願いします。何かあったら連絡して!」
「うん、大丈夫よ〜」
「ゆっくりしてきて!」
「ありがとうございます」
「ありがとう。じゃあお願いね〜」
「バイバイ〜」と、心美の手を持って振る母
「行こう!」
「うん。もう少し大きくなったら、泣かれるのかなぁ?」
「どうだろうね?《《あーちゃん》》に懐いてたら大丈夫じゃない?」
「そうね」
「たまには、こうしてデート出来るとイイなぁ」
そっと美優の手を繋ぐ洋平
「ふふ、手を繋ぐのも久しぶり」
「うん、そうだね〜」
見つめ合って微笑む♡
──美優〜やっぱり俺はお前が大好きだよ
車でも2人は手を繋いでいた。
美優は、ニコニコ
「何買おうかなぁ〜」
「何買ってもイイよ〜」
「え〜嬉しい。帰り大荷物になったら持ってくれる?」
「え? そんなに? ふふ。イイよ〜いくらでも持ちますよ〜」
「ふふ」
日曜日だから、やはり、
ショッピングモールは、賑わっていた。
真っ先に洋服が目に止まり、お店の中へ。
でも……そこは、ベビー服売り場。
「やっぱり、ついつい、ここちゃんのを見てしまう〜」
「そうだね、イイよ。ここちゃんのを買ってから、美優のも買えば……」
「うん。可愛い〜♡」
結局、ここちゃんのをいっぱい買った。
そして、ようやく美優の服
「これどうかなあ?」
「うん、イイね」
「こっちは?」
「コレもイイね〜」
「洋平、何でもイイって言う」
「違うよ、美優に似合ってるからだよ」
「そう?じゃあ、こっちとこっち、どっちの色がイイ?」
「う〜ん、右かなぁ〜」
「えー!」
──え?逆だった?実は、もう自分の中では、決まってたんじゃん
「う〜ん」
「両方買えば?」
「でも、同じ形のは、2つも要らないかなぁ〜」
「じゃあ、少しだけデザイン違いの色違いは?」
「う〜ん」
──ふふ、いつもなら買い物、長いなぁ〜って思うのに、今日は、2人きりだから、ずっと一緒に歩いて一緒に選んで恋人の時みたいに、楽しそうな美優を見てるのが嬉しい
ジーっと、こっちを見てる美優
「ん?」
「あ、ごめん、家にある自分の洋服を思い出して、コーデしてたの」
「あ、なるほどね、ハハ」
「やっぱり、こっちにしよう」
「うん」
「洋平も何か買ったら?」
「あ〜俺はイイよ」
「どうして? あ、コレ似合いそう」
洋平の顔に合わせて見る
「うんうん、似合うよ♡」
「そう?」
「うん。あ、でも、カッコ良くなったら、また、モテちゃって困るかも……」
「何言ってんの、大丈夫だよ」
「そうだね、ダサい旦那様より、カッコイイ方がイイよね」
「うん、全部、美優のコーディネート」
「じゃあ、コレと……」
「え? まだ俺の買うの?」
「うん、パンツも……コレは?」
「うん、バッチリ! 黒なら持ってるよ」
「じゃあ、ちょっと変えられるように……グレー」
「うん、カッコイイね」
「決まり!」
「今日は、全部俺が払うから……」
「ありがとう♡」
普段、生活費は、洋平から貰っている。
『足りない時は、言って!』と言われているが、自分の洋服代は自分で出していた。滅多に買わなくなったし……
今日は、誕プレだし、甘えよう。
て言うか……育児休暇中だし、収入が減ったから、これからは甘えようかな……
手当てや給付金は、貰えて有り難い。
全部ここちゃんに残しておこうかなぁ〜
鞄も靴も……
たくさん買えて満足な美優。
OL時代とは違って全部ママさんスタイル。
全部、車に積んで乗り込んだ。
「美優って、カッコイイママだよね」
「えー! 何言ってるの?」
「いつもちゃんとしてる」
「そんなことないよ、やっぱり寝不足でボロボロになってる時もあるし……」
「全然、大丈夫だよ」
「ふふ、なんか今日は優しいね」
「今日《《も》》!でしょう?」
と、また手を繋ぐ洋平
「あーそうよね。優しいと何かあるのかな?って思っちゃうよ」
「美優の誕生日祝いだよ」
「うん、そうだよね……」
チュッと、おでこに……
「ふふ」
「何? 足りない?」
「うん♡」
出発しようとして……
また、ギアを戻して……
熱いキスを美優の唇に落とす洋平♡
一旦離れて、またチュッ♡
チュッと返す美優♡
「あ〜もう終わらないよ〜」
と、また唇に……熱い熱いキス
「美優〜ダメだよ、止まらなくなるよ」
美優から熱〜い熱〜いキスを返す
──美優〜今日どうしたんだろう。エロッ♡たまらなくイイ〜♡
「はい、おしまい」
「え?」
──まただ…
「もう、美優〜」
「ふふ」
──もう俺は完全に……はあ〜やられた……抱きたい
「美優〜♡」
「ん?」
「抱きたい!」
「え? 終わりって言ったじゃない?」
「イヤだ、美優が欲しい!」
「……」
「美優があんなエロいキスするから……」
「ふふ」
イタズラに笑ってる
「美優〜♡」と、又、手を繋ぐ
黙って、チラッと見る、美優
「どこで?」
「え? イイの? どこでも……」
「どこでもイイわけないでしょう?」
「一回帰る?それとも……」
近くに見えるラブホテルを指差す洋平
一瞬、驚いた顔をした美優
でも、イヤだとは言わなかったから……
「久しぶりに行く?」
「う……ん」
「はい、行こう!」
いきなり一緒に住み始めたから、ラブホなんて
滅多に行かなかった。
たまに、遠出した時に行ったぐらいだ。
──はあ〜久しぶり♡ワクワク、ドキドキ♡
「夫婦なのに……」
「イイじゃん、たまには……環境が変わって……♡ふふ」
「ヤダ〜すっごく、いやらしい顔〜」
「当たり前じゃん、今からラブラブするんだから……
あー嬉しい〜♡めいっぱい楽しもうね♡美優♡」
「ふふ」
──ちょっと怖い…と思った美優だった
久しぶりのラブホテル♡
2人とも、なぜかドキドキして、ぎこちない。
──何この感じ!ヤダ〜なんだか私、すっごくドキドキしちゃってる
──久しぶりだなぁ〜なんか色々変わってる?ちょっと、ソワソワしてしまう
そんな2人だったが……
エレベーターの中でも、手を繋ぎ、
「恋人みたい♡」と……キスをする
部屋のドアを開けて中に入ると……
「うわ〜なんか久しぶり〜♡」
と、部屋を見て楽しそうな美優
洋平は、それどころではなかった。
ソワソワしていたが……
部屋に入ると……
いきなり美優の腕を掴んで、
抱き寄せて、キスをした。
「う〜ん、シャワー浴びようよ」
「……チュッチュッ」
「う〜ん、ね?」
「うん、分かった」
そう言って、シャワーを浴びる。
ついでに、お風呂にお湯を溜めた。
洋平は、美優の胸を見ると、触らずにはいられない。
「う〜ん……」
「綺麗に洗ってあげる」
「もう洗ったよ、あっ……」胸に舌を這わせる
──あれ?ちょっと、小さくなってきてる?
えー!俺の期間限定爆乳が……
離乳食始まったから、需要が減って縮んだのか……
ま、いいかまだ巨乳だし……ふふ
「あ〜柔らかくて気持ちいい〜」チュッ
「もう上がるよ」
なのに、洋平は美優の胸から唇を離さない
「あっ……んっ……もう〜あがろうよ……」
「うん」と、言いながら、名残り惜しそうに、
胸を触る
洋平は、
バスタオルで自分のカラダを拭き
美優のカラダも拭く
美優は、そのままバスタオルを巻いて……
お姫様抱っこされて、ベッドへ
美優は、抱っこしてる洋平に何度もキスをする
「あ、美優♡ちょっと待って……また、う〜ん」
「ふふ」
「美優〜♡」
優しいキスから……始まった……
「美優、今日は、声のボリューム気にしないで
思い存分どうぞ♡」
「ふふ。あ、あ〜〜〜ん♡」
「なんだか、久しぶりに恋人の時みたいな感覚に戻っちゃった」
「そうだなぁ〜若かったもんなぁ〜|20歳《はたち》と24歳だったもんなぁ〜」
「うん、そうだよね〜あ〜明日から28歳かぁ〜」
「美優、若いよ。俺32でも、今も体力は変わってないけど……」
「そう?」
「え? 落ちてる?」
「ううん、変わらないと思うよ。空白の5年間は、知らないけど……」
「ふふ、空白か……美優のことばっかり考えてた時だ」
「そっかあ〜ホントにマレーシアの人とは、お付き合いしなかったの?」
「しなかったよ」
「ふ〜ん、でも誘惑はあったでしょう?」
「まあな」
「あったんだ……」
「そりゃあね、こんなイケメン放っておかないでしょう!」
「ふ〜ん、そうなんだ」
ずっと、洋平の腕枕に居て、洋平の胸を触っていたのに、スーッと離れて、背を向けた美優
「え! 何? どうしたの? 美優」
──今のは、自分で言う?ってツッコむところでしょう!恥っ
慌てて、バッグハグする洋平
「なんかヤダ……胸の奥がぎゅーって痛くなった」
「美優〜もう昔の話だし、何もなかったよ」
「そんなの分からないよ、私は隣りに居なかったんだから……」
「ごめん、ホントに何もなかったんだよ。
俺には、美優しか居ないって思ってたから、どんなに誘惑されても、その気になれなかった」
「今じゃ、こんなにすぐにその気になるのにね」
「美優だからだよ。他の人になんてならないよ!」
「ホントに?」
「うん、ホントだよ!俺は美優が大好きだから……
美優しか考えられないから結婚もしたし……」
「……」
「こっち向いて」
そーっと振り向いた美優の目には、涙が今にも溢れそうになっていた。
「美優〜ごめ〜ん、イヤなこと言ったよな」
「ううん、分かってるよ、昔のことだし、別れてた時のことだし……」
そう言うと、涙が溢れた……
「ごめん、泣かせるつもりなんかなかったのに……」
「ううん、ごめんね。勝手に泣いてるから……
知らない時の洋平のことだから……想像出来ない」
「知らないって………俺は、ホントに美優に会いたくて会いたくて早く日本に帰ろうって頑張ってた時だよ」
「私だって、ずっとずっと洋平のことを思って毎日泣いてたし……」
「美優以外の人のことなんて、考えられなかったよ」
「私だって……」
「ふふ」
「ふふ」
「離れてても、両思いじゃん♡」
「ふふ、そうだね〜♡」
チュッ
「美優〜!今日、レストラン予約してる」
「え? そうなの?」
「うん、お祝いしよう。晩御飯まで、ここちゃんお願いしてるから……」
「そうなんだあ、あ、私の胸が張ってきた」
「俺が飲もうか?おっぱい♡」
「ヤダ〜」
「美優〜♡もう1回〜♡」
「あ〜〜〜ん♡」
「お願いがあるの♡」
「何? 1回でいいから、は・さ・ん・で♡」
「ヤダ〜」
泣いたり、笑ったり忙しい2人は、
もう一度、愛しあい、どんどん絆を深めることに……
予約していた、イタリアンレストランでは、
フルコース料理を堪能。
「あ〜嬉しい。こんなにゆっくりご飯を食べるのも久しぶりだし、全部美味しい〜ありがとう洋平」
「うん、喜んでくれて良かった」
──母乳育児だから、まだアルコールは飲めないけど、また、断乳したら洋平と一緒に飲みたいなぁ
「あ、私、運転して帰ろうか? 洋平呑む?」
「あ、イイよ。ここちゃん見てもらってるし……」
「お父さんは、きっと呑んでるよ。毎日呑んでるから……」
「うん、でも大丈夫。車、美優 最近運転してないし……」
「あ、そうだね、あの車、大きいし、久しぶりの運転には、ちょっと恐いかも……」
「今日は、美優の誕生日祝いだし、気にしないで!他にしておきたいことは?」
「ううん、もう十分よ、幸せ♡ありがとう」
「俺も幸せ♡」
「ふふ、なんだか違う意味に聞こえるのは気のせい?」
「ふふ」
私は、あなたと結婚して良かったよ。
幸せだよ♡
美優、俺はやっぱり美優と結婚して良かった。
こんなに幸せなことはない♡
2人でニコニコしながら、ディナーを楽しんだ。
実家へ戻った時、ここちゃんは眠っていて
「とってもお利口さんだったのよ。もう、お座りも少しなら出来るのね?」
「うん、ソファーなんかだと、しばらくは座ってるね。まだまだ見てないとダメだけど……」
「これから、どんどん楽しみね〜」
「可愛いよな〜癒されたよ、又、連れて来なさい!」
「うん、ありがとう〜」
「お世話になりました。ありがとうございました」
「2人でデート楽しめたかしら?」
「うん」
「はい♡」
「なら、良かったわ」
「あ、これ、イタリアンレストランでいただいた手作りパン、良かったら……」
「うわ〜美味しそう、ありがとう」
「お父様には、ワインを……」
「お〜ありがとう、いただくよ」
「では、ありがとうございました」
「ありがとうね〜また、散歩がてら来るね」
「うんうん、いつでもいらっしゃい、待ってる。
ここちゃんまたねーよく眠ってる」
「ありがとう、じゃあね、また〜」
「ありがとうございました。失礼します」
「ふふ、最後は、どうしても会社の上司と部下ね」
「え? そうだった?」
「うん、ふふ」
「ま、仕方ないよなぁ〜上司だし……」
「あ、洋平」
「ん?」
「お爺ちゃん、そろそろ勇退するみたいなの」
「え、そうなのか?」
「うん、もういい歳だし、下も詰まってくるし……」
「そっかあ〜じゃあ、いよいよ、お父様が?」
「う〜ん、どうだろう? まだ、分からないけど……常務は、どうされるのかなぁ?って……」
「あ、そっかあ〜」
「また、お爺ちゃん家に行ってみようか?」
「そうだな」
そして、帰路に着いた。
「洋平ありがとう♡」ハグ
「いいえ、どうしまして……」チュッ