「ご、ごほっ…ううっ」
下腹部を刺し貫かれた鶫(つぐみ)が、途切れ途切れに息を漏らす。
虚無にくすんだがらんどうの瞳は、
何が起きたかを理解できないといった様子で見開かれ、
累(るい)やあとり達を順々に見渡していった。
「ル… ルイルイ…。あーし、どうなってるのぉ…?」
「鶫ぃっ!」
名を呼ばれ、咄嗟に駆け寄ろうとする。
だが、その瞬間――。
一点の曇りもない刃が、累の頭上目がけて振り下ろされた。
(あっ、俺…死んだ?)
「ば、ばかっ!なにやってるの!」
「…えっ?」
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