恋

今年のクリスマスに欲しいものがある

ブランド物じゃない

宝石でもない

時計は　　ちょっと欲しいけど

ちがうちがう　そんなんじゃないの！

クリスマスに照が欲しい

辰哉「うわーもうイルミネーションついたんだ」

街のあちこちでクリスマスに向けたイルミネーション

免許がないから歩きながら街並みを楽しむ

辰哉「ただいまー」

１人で帰ってきて

おかえりの声はないけど

ツアーの途中だけどクリスマスは戻れるように予定が組んである

辰哉「照なにしてんのかな」

つい何時間前まで

一緒にいたのに

照に会いたいなぁ

窓際に頬杖ついて　窓の外を眺める

スマホがブルブル震える

辰哉「え？」

相手は照

辰哉「どしたのー？」

照「泣いてただろ？」

辰哉「なんの話し？」

照「おれに会いたいって泣いてただろ？」

辰哉「そっ　そんなこと」

照「ふっか　お願い　」

辰哉「どしたの？」

照「おれに　会いたいって言って」

辰哉「なんだよ急に　照　おかし」

照「お願いだから　」

わけが分からないけど

会いたいよ？

辰哉「会いてーよ　照　わら」

これでいいか？

ふざけてるだけだもんな照

おれの心なんて知らないから

なんだ？

翔太とでもつるんでおれのこと遊んでんの？

照「下にいる」

辰哉「は？」

照「会いたい　ふっかに　だから　来てる」

辰哉「家にあがれよ　早く言えば良かっただろ 」

照「いい？」

辰哉「いいよ　照とおれの仲だろ」

心弄ばれてるなぁ

でもソワソワしてくる

下から上がってくるだけなのに

長く感じる

辰哉「おかえり　わら」

照「辰哉」

照はぎゅっと辰哉を抱きしめた

辰哉「どしたー」

照「またなって言われてから　すぐ会いたくなって　その　後つけてた」

辰哉「は？いつから？？？」

まて　まて　まて　　おれのこと？

イルミネーションをうっとり見てたり

照に似合いそうって登山用の靴とか

歩きながら見てたのバレてんの？

照「ツアーの合間のクリスマス一緒にすごしたい」

辰哉「ん？んんん？」

照「返事は」

辰哉「おれも　ひか　好き」

照「一緒に過ごそう」

辰哉「はい　はい　」

お互い抱きしめあって

辰哉の目に涙

照「可愛い　辰哉」

辰哉「名前　ずるっ」

こんどのクリスマスは

恋人として初めて

今からドキドキが止まらない