「はー……」
身体が弛緩し、頭の芯が熔けるような独特な幸福感に、私はうっとりと声を漏らした。
箱舟を象った檜の浴槽に、とろみのある温泉が張られている。
肩まで浸かった身体はじんわりとした熱さに沈み、外気に触れる顔は明け方のひんやりとした風に当たり、瞳はこれぞ絶景と謳う青々とした眺望を捉える。
これぞ、温泉、もとい、露天風呂の醍醐味ではないだろうか。
「ああ、極楽……」
今日ここに至るまでに被った苦労とか、ストレスとか、何かそういう色々なものが、全部丸ごと昇華されていくような気がする。
しかも、他に客はおらず、私の貸切状態だ。
出来ることなら、ずっと、ここに居たい。
そんな夢のようなことを考えながら、しかし、すぐに思考は解れ、眠りに落ちる直前に似た心地よい無に満たされる。
「最っ高」
もう一度と呟いた言葉が、鳥の|囀《さえ******************
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