金持ちの若者の目を惹くチャンスはさすがの美鈴でも難しいだろう、若者は虚栄心が強く自分と同じように美しくて、金持ちの女を欲しがる
しかし妻を亡くした年老いた男なら美鈴でも不可能ではない。そして、すでに若くない男寡には確かな利点がいくつもあった。父の場合美鈴より三十歳も年上だ。だから美鈴がいつの日か金持ちの未亡人となることは有り得ない夢ではない。
でもそれはいつ?
5年後か10年後?・・・・
父の大きな資産を手に入れることを考えれば、決して長すぎる月日ではないのかもしれない、そして、 その後に来るすばらしい自由・・・
父が死んで未亡人になれば誰と再婚しようと自由なのだ
父と不本意ながら結婚生活を何年か続け、今度は美鈴が金持ちの未亡人となり、 男に言い寄られる立場になる。しかし、その時・・・徹は?
徹と一緒になろうとしているの?
私はまだ若いから、その頃までに都合よく死ぬということはあまり考えられない。どうして美鈴は徹を私と結婚させたのだろうか?
あの女は最初から私達の結婚に賛成し
それを実現させるためにできる限りのことをしたのだ。
もしかしたら美鈴は私の中には徹の心を惹く何ものもないと確信し、
いっそ私と結婚させておくほうが安全だと考えたのだ
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