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岳大さん😆告白は?😆💦もぉ、言葉なんかいらへんか🤭💕💕💕
自然を愛する岳大さんらしい、自然の流れでのキス🫧 2人を祝うかのように降りしきる雪❄️嬉しい🥹
しばらくするとマイクロバスは岳大の家に到着した。
岳大と優羽はスタッフ達に挨拶をしてから車を降りた。そしてバスは一足先に山神山荘へと戻って行った。
時刻は午後四時を少し過ぎたところだった。
腕時計を見た岳大は優羽に言った。
「ここで少し時間を潰せば流星君のお迎えにちょうどいいのでは?」
「はい。でも片付けのお邪魔になりませんか?」
「大丈夫ですよ。早速新しいカップでコーヒーでも飲みましょうか」
岳大が玄関へ向かったので優羽も後をついて行った。
キッチンには東京で使っていたコーヒーメーカーがあった。
傍には開けたばかりのコーヒー豆の袋が無造作に置かれていたので既に何度かコーヒーを入れたのだろう。
リビングの窓際にはアウトドア用の折り畳みテーブルと二脚のチェアが置かれていた。
そして部屋の一角にはまだ開けていない段ボール箱が積んであり、家具はテレビを置くリビングボードと隣の編集部屋に書棚が一つあるだけだった。
優羽が引っ越しの手伝いに来た時にはなかった新品の冷蔵庫や電子レンジがキッチンに並んでいる。
引っ越したらすぐ届くよう岳大が手配していたのだろう。キッチンはすぐにでも使える雰囲気だ。
殺風景な部屋を見回した後優羽が聞いた。
「寝る時はどうしているのですか?」
「あそこですよ」
岳大が指差したリビングの隅には寝袋が無造作に置いてあった。
山で寝起きする生活に慣れている岳大にとってベッドがない事等なんでもないようだ。
「座っていて下さい。今コーヒーを入れますから」
岳大がコーヒー豆の袋を手に取り準備を始めたので、優羽は美和の店で買った五客のカップを袋から出すと値札を外す。
そしてシンクに持って行き洗い始めた。
隣では岳大がコーヒーメーカーのスイッチを入れている。少し動けば肩がぶつかりそうな距離だ。
その時岳大の男らしい香りが優羽の鼻をくすぐった。その香りを嗅いだだけで心臓の鼓動が早まる。
優羽は再び美和に言われた言葉を思い出していた。
つい顔が赤くなりそうだったので優羽は慌ててカップに意識を向ける。
そして洗剤をすすぎ終わった時後ろに岳大の気配を感じた。
次の瞬間優羽は後ろから岳大に抱き締められていた。びっくりした優羽の手からスポンジが落ちる
「あっ、えっ? あのっ?」
優羽は泡だらけの手をどうする事も出来ずに戸惑っている。
すると岳大は優羽の耳の裏に鼻を埋めて思い切り息を吸い込む。まるで優羽の匂いを嗅ぐように。
「あ、あの、佐伯さん?」
もう一度優羽が声をかけると岳大が苦しそうに言った。
「君が誰かに後をつけられたと聞いてからずっと生きた心地がしませんでした」
「あっ、はい。あ、でも、あの後はもう何もないので大丈夫ですから」
「何もなくて良かった…….」
岳大はそう言って少しだけ身体を離すと振り向いた優羽の左頬を優しく撫でる。そしてあっという間に優羽の唇を奪った。
優羽は突然の事にびっくりして目を見開いたが手が泡だらけだったので抗う事も出来ずにされるがままになっていた。
岳大のキスは最初は優しく、そして徐々に情熱的になっていった。
しばらくキスが続いた後、岳大は一旦唇を離すと優羽の肩を優しく掴んで自分の方へ向き直らせた。そして再び正面から包み込むように抱き締める。
優羽の手の泡が岳大の背中につきそうだったので、
「汚れちゃいます」
と優羽がかすれた声で囁くと、
「大丈夫」
岳大は更に強く優羽を抱き締めた。そして更に激しく優羽の唇を求める。
岳大の唇は、優羽の唇を這うようにゆっくりと動いていく。その動きはあまりにも艶めかしく優羽の息遣いは自然と荒々しくなっていった。
執拗に優羽の唇を溶かした後今度は岳大の舌が口の中へ侵入してくる。そして互いの舌が絡み合うと岳大は優羽を味わい尽くそうとするかのように優羽の口内を攻め続けた。
優羽は岳大の巧みなテクニックにすっかり翻弄されていた。身体中の力が抜けて岳大にもたれかかっている。
(こんなキスは初めて)
その情熱に崩れ落ちそうな中うっすらと目を開けた優羽の視線の先には降りしきる雪が見えた。
物音一つしない静寂の中には二人のリップ音と激しい息遣いが響いている。
されるがままになりながら優羽はぼうっとした頭で考える。
(最後に男の人とキスをしたのはいつだろう)
そんな優羽の考えをもかき消すほど岳大の熱い口づけはしばらくの間続いた。