皿の上に広がる極上の色彩と趣向。
カトラリーを操り、口に運べば、これぞフレンチと謳うべきソースの味が、舌と鼻腔を抜ける。
ああ、美味しい。
できればこのまま、ゆっくりと堪能していたい。
宙を見上げ、優雅に咀嚼してみるが、我ながら現実逃避が苦しい。
「――大丈夫か?瑞希」
私を案じるような総一朗の声に、一気に現実に引き戻されて、がくっと肩が下がる。
「……大丈夫じゃない」
何かもう、いろいろと。
マナー違反は重々承知で、手にしたフォークの先をがじがじと噛んだ。
「緊張し過ぎて、わけわからなくなってきた」
「……言いたいことはわかる」
察してくれる優しさに甘えて、更に深く身体を沈ませる。
フォークを持つ手が下がり、手首がテーブルに降りた。
水戸の結婚式。
披露宴にも呼ばれて、畏れ多いことに友人代表のス*******************
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