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井上くん本気だね🤭 結婚の話しもしたけど情熱的で行動力もある。 恵子さん〜頼れる年下ですよ。井上くんは( *´艸`)フフフ💗
井上君のさりげないプロポーズ❤️恵子さんを陥落させるのも時間の問題ですね(((o(*゚▽゚*)o)))♡
井上くん積極的でいいわぁ😍 恵子ちゃん年下イケメンマッチョにノックアウトされちゃってね❤ はぁ〜💕明日が楽しみ!!
その後、二人は食事をしながら会話を楽しんだ。
子供の頃の事、家族の事、生まれ育った町の事等、互いの知らなかった部分を知る。
食事が終えると、今度はデザートを楽しみながら話を続けた。
井上はおっとりしているので、絶対に末っ子だろうと恵子は思っていたが、その予想は見事に外れる。
井上は妹が二人いる長男だった。
(ああ、だから優しいのか……)
恵子は納得する。
井上の実家は、静岡で老舗の温泉旅館を経営しているといった。
最近井上の2歳年下の妹が婿を取ったので、旅館は妹夫婦が後を継ぐ予定だと井上は言った。
「へぇ~、じゃあ長男でも旅館を継がなくていいんだ」
「はい。だから俺と結婚しても旅館の女将はやらなくていいので安心して下さい」
その何気ない一言に恵子はドキッとする。
会社ではカジュアルファッションに茶髪とピアスのチャラい印象の井上だったが、言葉の端々や礼儀等には育ちの良さが見え隠れしていた。だから実家が老舗の旅館と聞いて恵子は納得した。
デザートを食べ終えると、井上は恵子にこんな事を聞いた。
「一つ聞いていいですか?」
「うん、何?」
「恵子さんはマッチョが好きだって本当ですか?」
いきなりとんでもない質問が飛んで来たので、恵子はコーヒーをこぼしそうになる。
「そんな事誰が言ってたの?」
「いや、技術部の奴が話してたのを聞いたんで……」
恵子には思い当たる節があった。それは技術部の中原(なかはら)という社員だ。
恵子は中原に好意を持たれているような気がした。だから恵子が中原のフロアへ行くといつもちょっかいを出してくる。
しかし中原はタイプではなかったので、恵子はずっと気付かないふりをしている。
おそらくその中原が言ったのだろう。
「中原さんが言ってたんでしょう? やーね、勝手に……」
「中原さんとは仲がいいみたいですけど、親しいんっすか?」
(あれ? もしかしてやきもち妬いてる?)
心配そうな井上に、恵子は明るく言った。
「親しくなんかないわよ。いつも向こうが勝手に話しかけてくるの」
恵子の言葉に井上はホッとしていた。
(かーわいい♡)
思わず恵子の胸がキュンと疼く。
30を過ぎた女が年下のイケメンマッチョに好意を持たれているのは悪い気はしない。
女としての自信がぐんぐん蘇ってくる。
(私もまだまだ捨てたもんじゃないのかな?)
その時、井上がもう一度聞いた。
「でもマッチョ好きっていうのは本当?」
「ああ、それは本当よ」
恵子はうっかり正直に答えてしまう。
「だったら良かったです。俺、わりかしマッチョなんで」
井上の笑顔がオスとしての自信に溢れていたので、恵子はドキッとした。
(あれ? 何? この気持ち……)
恵子は自分の気持ちに戸惑っていた。
コーヒーを飲み終えた二人はレストランを出る事にした。
井上は手を挙げて会計を頼む。
「本当にご馳走になってもいいの?」
「もちろん」
会計が終わると恵子が礼を言い、二人はレストランを出た。
そのまま出口へ向かうものと思っていた恵子は、井上がフロントの方へ向かったので驚く。
「え? 井上君?」
動揺した恵子の声に井上が振り返る。
「俺、今夜は恵子さんと一緒にいたいんです」
「…………」
恵子はびっくりして言葉を失う。
まるでドラマのヒロインにでもなったかのようだ。
まさかこの歳になってそんな甘い言葉をかけられるとは思ってもいない。
井上が今言ったセリフを、もし元彼に言われたとしたら恵子は思わず「プッ」と噴き出していただろう。
しかし真剣な眼差しの井上に言われたので、恵子の身体は熱を帯びてきた。
真っ直ぐ純粋な井上からの猛アピールは、今の恵子には眩し過ぎた。
「駄目ですか?」
井上が懇願するように言ったので、恵子の身体は更に熱くなる。
若さ溢れるイケメンマッチョにそんな風に迫られたら、もうNOとは言えない。
例えもしそれが一夜限りの関係だったとしても、後悔はしないような気がした。
そこで恵子は覚悟を決める。
「わかったわ」
途端に井上が嬉しそうな笑顔になる。その笑顔に再び恵子の胸がキュンと疼いた。
すると井上は恵子の耳元でこう囁いた。
「ここで待ってて」
井上の熱い吐息が耳に掛かっただけで、恵子の身体は崩れ落ちそうになる。
(実は彼って経験豊富?)
フロントへ向かう堂々とした井上の後ろ姿を見ながら、恵子はそんな風に思った。
(ううん、でもセックスの経験は絶対私の方が上よね! 若い子にあんまり期待しちゃ駄目だわ)
恵子は上から目線でフフッと笑う。
カードキーを手にして戻って来た井上は、恵子の手を取りすぐにエレベーターへ向かった。
そしてちょうど到着したエレベーターに乗り込む。
ドアが閉まった途端、井上は恵子を抱き締めキスを始めた。
(う…ん…キスはまずまず上手ね…)
恵子はまだ余裕を見せていた。
しかしそのキスが徐々に激しくなる。
「んっ、んっ……」
あまりにも情熱的なキスに、恵子の口からつい声が漏れてしまう。
扉が開くまでの間、二人の抱擁はどんどん激しくなっていった。
エレベーターを降りると、井上はもう我慢出来ないといった様子で足早に歩き始めた。
恵子はしっかりと手を握られたまま井上の後をついて行った。