テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
15
“6ヶ月後”
炎に包まれ、焼け野原になった礼唯の街は、住人たちや、近くにある魔術専門の高校の生徒たちによる魔術によって、修復作業が進んでいった。
「ありがとうございます!」
この街に住んでいた陽葵は1人の生徒に深々と頭を下げた。
「いやいや、困った時はお互い様ですよ。頭を上げてください。」
そう言われて頭を上げた少女は、大きな黒い影が空からこちらに向かってきたのが見えた。
「うしろみてください!!」
「そう言われた生徒は振り返る。」
その影はあまりに早いスピードで、こちらに向かってきた。
「まずい、、誰か、、」
生徒が死を感じ、そう言うと、どこからともなく呪文が聞こえた。
「”刻滅”」
(スクリーベレ)
そう呪文が聞こえると、飛んできた斬撃が黒い影の体を真っ二つにした。
動かなくなった黒い影に、 1人の少年と女性がこちらに近づくのを生徒は見た。
「伊織さん、これって、、」
「紛れもなくコウモリの威形だね。 近くの山から来たのかな?」
少年と女性の会話に生徒は割って入る。
「助けてくれてありがとうございます!」
「無事でよかったです。 街の修復作業をしてくれてありがとうございます。」
礼唯は頭を下げる。
「いや!いいんですよ!僕たちの役割は魔術で治すことなので」
そう言うと生徒は礼唯に頭を下げて、再び修復作業に戻った。
「それにしても礼唯君の魔術。精度が上がったなー」
「伊織さんが稽古してくれたおかげです。」
刻印の儀を経て魔術の力を引き出した礼唯は杖を授かり、この3ヶ月間、福岡にある伊織の別荘で、伊織と住み込みで毎日修行を積んでいた。
「それにしても斬撃を飛ばす魔術を秘めていたなんて、未だにびっくりだよ!私はてっきりお父さんの魔術を引き継いでいると思ったよ。」
礼唯は伊織に質問する。
「親の魔術が子どもに遺伝するってことですか?」
「必ずしも遺伝するってわけじゃないけど、遺伝する場合が多いんだよね。
それに”刻滅”なんていう呪文は一度も聞いたことがない。礼唯君の魔術はすごい特別だよ!」
伊織は礼唯の珍しい魔術を賞賛する。
「、、でも導鏡官にならないと、、
木犀高校に入学しないと、、引き出した魔術に意味はないです。伊織さん、残り一ヶ月間、また修行をお願いします。」
「任せてよ!」
伊織は礼唯の背中をポンっと叩く。
“刻滅”
(スクリーベレ)
礼唯の中に眠っていた魔術。
斬撃を飛ばす。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!