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#雪男BL
透子
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蓮と2人で温泉旅行
突然降って湧いたような計画にワクワクドキドキしつつ、行先と宿を決めてから約2週間――
俺たちは東京から車でおよそ3時間くらいのところにある、有名な温泉地へやって来た。
今回の運転手は俺。
車も俺が出した。
蓮は『俺が誘ったんだから』って自分の車を出してくれようとしたんだけどさ……疲れさせたくないから、俺が運転するって譲らなかった。
蓮が居るって知られるととんでもない騒ぎになるだろうから(って蓮に言ったら『佐久間くんもだよ!』と返された)、今回は観光は無し。
完全お忍び状態で、ひたすら旅館でまったりのんびり過ごすことにした。
まあ、リフレッシュが目的だし、観光はまた後日……それこそ1人でフラッと来るか、親友たちと一緒に来ればいい。
と、思ってたら、宿の敷地内に入る間際で蓮が小さく呟いた。
「せっかく来たのに……佐久間くんと観光したかったなぁ」
…………なんだコイツ〜〜〜可愛いこと言うじゃん!!
俺はハンドルを握ったまま、片方の手で蓮の髪をくしゃくしゃと撫でた。
「俺たちが2人で旅行してるってバレたら、絶対囲まれるって!一泊二日しかないんだし、宿でのんびりしよ?」
「ん…………まあ、また来ればいっか。……2人で」
2人で。
……次の約束が出来たみたいで、なんかちょっぴりくすぐったい。
「でも、温泉もいいけど……2人で海外旅行とかもしてみたいな」
「えっ」
「海外だったらそんな囲まれることもないだろうし。有名でベタベタな観光地とか回ってみたい」
「え、えっと……2人で?」
「うん。佐久間くんと2人なら絶対楽しい」
……どうしちゃったの、蓮!?
なんで今日はそんなデレなの!?
ってか俺の反応見て面白がってたりする???
(いや……そんな感じでもないか)
多分ホントに、俺と2人は楽しいって思ってくれてるんだろう。
カメラの前だとベタベタくっつきに行ってるけど……プライベートでは割と、距離感を保つように努めてる俺。
蓮と遊びに行くなんてほとんどないし、たまに2人でどこか出掛けるってなっても、メンバーが出演した映画の試写に行く……とかくらいのもんで。
仕事終わりに軽くご飯食べに行くこともなくはないけど、2人でお出かけって感じでもない。
こうやって突発的に旅行設定して出掛けるのは、ホントに初めてのことだから。
(思ってたより楽しい、とかかなぁ……だったら、嬉しいけど)
普通に喋って笑ってるだけなのに、そう思ってくれてるのなら。
それも蓮のリフレッシュに繋がってるなら、すごく嬉しい。
つい緩みそうになる口元をグイッと引き締めて、宿の敷地内に入る。
玄関先で車を停めると、そこで待っていた人が深く頭を下げて出迎えてくれた。
「蓮、車預けちゃうから、今日はもう出せないし。忘れ物ないようにね!」
「うん」
車を降りて『お世話になります』と挨拶しつつキーを預けてる間に、蓮が後部座席に置いていた荷物を俺の分まで出してくれた。
宿の人に運ばれていく愛車を見送ってたところで、蓮に背中をポンと叩かれる。
「行こ、佐久間くん」
「うん……あっ、ごめんごめん!持つから!」
「いいよ。ずっと運転してくれてたんだし、これくらい任せて」
……イケメンは荷物を持ってくれる理由もイケメンだった。
なんかズルい!
むぅっと唇を尖らせると『なんでそこで拗ねるの』と蓮が笑った。
あー、ホント
蓮が笑ってくれるの、嬉しいな。
蓮の笑顔が、めちゃくちゃ好きだな……
(……ッハ!?いかんいかん!蓋しろ、蓋!!)
うっかり気を抜くと、密封したはずの蓮への気持ちが溢れ出そうになる。
困らせるのは絶対ダメ。
(俺は蓮の先輩、Snow Manのメンバー、風呂友……)
何度も言い聞かせて、心を落ち着ける。
チラリと横目で蓮を見上げると、なんだか優しい目をしてこっちを見つめていた。
なんで、そんな顔してんの……
「佐久間くんって、ほんとに表情豊かだよねぇ」
「へっ!?……そ、そう?」
「うん。拗ねたり笑ったり難しい顔したり……見てて飽きないなって」
「う……っ」
なんでそんなにまじまじ見てんの!?
って言おうかと思ったら
「……ずっと、見てたくなる」
「!?」
やけに甘ったるい声と表情で言うもんだから、心臓がひっくり返るんじゃないかってくらい大きく跳ねた。
「う、ぉあ、ぇ」
「アハハ、また面白い顔してる」
笑いながら俺の背中を押して、フロントカウンターの前に立たせる蓮。
言葉の意味とか、なんでそんな顔すんのとか、尋ねる隙を与えてもらえない。
なんか腑に落ちないまま名前を告げ、部屋まで案内してもらう。
今日泊まるお宿は全部で7室しかなくて、しかも全室スイートタイプっていう超贅沢なところだ。
少しばかりお高いけど、俺も蓮もそれなりに働いてるし……たまにはこういう贅沢もいいねってことで、ここに決めた。
何よりさ、急に決まった旅行だったのに偶然、ホントにたまたま空き部屋があったのよ!
超人気のお宿なのにさ!
休み明けのド平日だったのが良かったのか、それとも俺たちの日頃の行いが良かったからか。
どっちにしろこの幸運を逃す手はないよね。
さてさて、そんなラグジュアリーなお部屋。
入った瞬間、俺は『うわぁぁ……!』と声を上げてしまった。
いやホント、こんないい部屋泊まんの初めてだよ!
「蓮、見て!寝室!写真で見るより広いな!」
「ほんとだ。へえ……ローベッドなんだね」
「なー?蓮、どっちのベッドがいい?」
「俺はどっちでもいいよ。…………もしかしたら、ひとつしか使わない可能性もあるし」
「へ?」
どっちでもいいよ、の後に小さく呟かれた言葉。
ホントに小さくて、何言ってるのか聞こえなかった。
「いま、なんて?」
「……ううん、こっちの話。佐久間くんは壁側の方がいいんじゃない?」
「ほへ?なんでよ」
「寝相悪くて落っこちそう」
「!!にゃ、にゃにおう!俺、寝相はいい方だよ!?」
「フハッ、冗談だよ、冗談」
「いーや、いま本気で言ってたね!」
垂れ気味の目を細めて笑う蓮を見上げ、わざとらしく頬を膨らませる。
指先でそこをつつかれると、プシュッと空気が抜けた。
「もー、ホンットお前さ、俺のこと先輩だと思ってないよね!?」
「いえいえ、尊敬する先輩デスヨ」
「うーわ、棒読み〜!」
おいおいと泣き真似しながら言うと、蓮はまた楽しげに笑う。
このところ、めちゃくちゃいっぱい笑顔見せてくれてる気がして……それが心底嬉しい。
「蓮、荷物置いてお風呂見に行こ、お風呂!」
「うん。早速入る?せっかくだし浴衣着て、のんびりしようよ」
「いいね〜、そうしよ!」
ボストンバッグの中から下着とスキンケアアイテムだけ出して、フロントで選ばせてもらった浴衣をそれぞれ小脇に抱えてお風呂場へ向かう。
館内には貸切出来る露天風呂もあるらしいけど、部屋に付いてるんだからそっちの方が誰に気兼ねなく入れていい。
俺たち、どっちも長風呂だしね。
「リビングもめっちゃ可愛いなぁ。後でコーヒーでも淹れてまったりしよーぜ!」
「そういえば、ミニバーもあるってね。……部屋を探索するより先にお風呂って、俺たちらしい」
「にゃはは、ホントだよなぁ。でもまあ、温泉で癒されるのが目的なんだし!」
「まあね。……でも俺は、もう既に癒されまくってるけど」
「ん?あー……いいお宿だもんな」
「それもだけど。……佐久間くんに癒されてるよ」
「………………へ?」
それは
どういう意味?
なんかずっと、変だ。
次の約束みたいなこと言ったりだとか
俺と一緒なら海外旅行でも楽しいとか
俺に癒されてるとか
優しい目で俺を見てたりとか
なんで?
変だよ、蓮
なんか変だ
いつもと違う
意味深なことばっか言って
そんなの、俺
期待しちゃうよ――
「れ、」
「佐久間くん、行こうよ」
「う……ちょ、ちょっと!はぐらかすなよな!俺、ずっと引っかかって…………」
「あとで。……あとでちゃんと、話すから」
ポンポン
背中を叩く手が優しくて、言葉を呑み込んでしまう。
「……絶対、だかんな」
「うん」
一体なにを言われるんだろう?
期待2割、不安8割
なんとなくソワソワしながら、俺は蓮に続いてお風呂へ足を踏み入れた。
*****
何言われるんだろうね???
いやもう、バレバレなんですけどねww
スケベはないです……たぶん!(たぶん)
コメント
3件

めめのさっくんへの愛がダダ漏れですね🥰
ちょっと待って!蓮の「ずっと見てたくなる」発言、心臓に悪すぎるわ(笑) 「あとでちゃんと話すから」って、それ絶対ちゃんと話す案件じゃない?佐久間くんの期待2割不安8割、めっちゃわかるわ。 お互いの気持ちがダダ漏れで、読んでてこっちが照れる。続き、早く読みたい🔥