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アイツだけがモテるなんて許せない

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アイツだけがモテるなんて許せない

55 - 【番外編⑤ 琉成×圭吾】くだらない夢・③(有田圭吾・談)

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2024年08月29日

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『ひとまず手近なトイレに入ろうか』

介助はありがたいが気遣う声が妙にムカつく。そんなに心配するくらいならさっさとこの迷惑極まりない妄想をやめてくれと叫びたい。

何を考えているのか流石に内容まではこちらへ伝わってこないのでわからないが、何かしらの妄想が琉成の脳内で続行中な為、ケツのナカを容赦無く指で弄られ続けている。耳を甘噛みされる感覚や、首を撫でたりもされて、これではまるで昨夜の痴態の再現ではないか。


一番近いトイレに入り、個室の中へ俺を運んで行く。便座の蓋を下ろして俺を座らせると、後ろ手で鍵を閉めて琉成がニヤリと笑った。

頬が赤く、ひどく高揚していて呼吸も荒い。俺がこうなっている理由までは流石の琉成にもわかってはいないだろうが、それでもこちらの体の状態はそれなりに把握している気がする。

『もしかして、昨日の事思い出しちゃったのかな?』

嬉しそうな声でそう言い、俺の前に琉成がしゃがんだ。

『こーんなに大きくテント張っちゃって、可愛いなぁもう』と言い、俺の勃起状態にある股間を指先でつつっと撫でてくる。後ろにまだ弄られている感触があるままなせいで大きな声が出そうになると、『しー、声は我慢しようか。圭吾は慣れてるから、出来るよね?』と俺の口元に指を立てた。

自分の鞄から小さなサイズのタオルを取り出し、それを俺の前に差し出しす。

『はい。あーんして』

素直に口を開けると、いつも通りにそれを口内に押し込まれ、くぐもった声しか出せぬ様にさせられた。 今回もやっぱり見た事の無い柄のタオルだ。今までのは一体どこに消えているんだ?事後に捨てているとはどうしても思えず、毎度気になってしまうが、これではまた訊けずに終わりそうだ。

『授業中に色っぽい顔をし出したから、何事かと思っちゃったけど……俺だけじゃなくって安心したよ』

嬉しそうに笑いながら、俺の穿いているズボンのファスナーを躊躇なく下ろしていく。

『淡白な圭吾でも思い出しちゃうくらいに、昨日のが気に入ってくれていたの?それとも、その前かなぁ。今までの全部だったら、すごく嬉しいけど』

とてもじゃないが今の行為とは微塵も一致しない明るい声が聞こえ、ちょっとムカついた。

俺が行為の最中以外でお前との痴態を思い出して興奮する事なんざこれっぽっちも無いし、この先だってありえんだろ。そんな事をしている暇があるんなら、参考書の一ページでも読み込んでおいた方がよっぽど建設的だ。


今この状態になっているのは全てが全てお前のせいでしか無いんだよ!


——と訴えてはみたものの、タオルのせいで全て『ふんぐぅぅ!うぐ、ふぅぅっ』としか言えるはずがなかった。

『んー?早くシテ欲しいの?せっかちさんだなぁ』

ふふっと笑いながらボクサーパンツとズボンを脱がせられ、膝あたりまで下げていく。そして完全に勃起している俺の陰茎にうっとりとした瞳をした顔を近づけ、琉成はゴクッと唾を飲み込んだ。

『こんな場所でなんて、初めてシタ時みたいで興奮するね』

そのせいでか、奴の中で妄想が加速しているっぽい。 指程度で済んでいた感触が、消えたと思ったら今度はもっと太くて長いモノがズンッと一気に奥まで挿れられた。もちろん“本物に”では無いのだが、リアルな感覚が体を貫き、届いちゃいけない辺りにまでゴリッと切っ先で擦られている感じがする。

驚き、焦り、そして快楽とが同時に俺を襲い、目の前でチカチカと光が散った。背筋が大きく反れてガクガクと全身が震えている。どうやら俺は……中イキしてしまったっぽい。ここまでの間中もずっと指で散々ナカを弄られ、もう限界目前まできていたのかと、イッてしまってから初めて気が付いた。

全身から力が抜けてズルズルと体が便座の上から落ちそうになっていく。そんな俺の体を慌てて琉成が支えると、『……んんん?』と不思議そうな顔をして首を傾げた。

『まさか、脱いだだけでイッちゃったの?』


(んな訳あるか、馬鹿なんじゃねぇの?)


そうは思うが頭ん中がぼーっとしてしまって、余韻が全然抜けない。それどころか、より一層興奮度が加速してしまっている。もしかして前でイッたワケじゃないせいだろうか。

まさか自分の妄想がそのまま俺に伝わっているだなんて気が付けるはずがなく、ワンコみたいな顔がニタァと興奮気味に歪みだす。まるで俺の体が淫乱になった事を歓喜しているみたいだが、全然違う。


そんな勘違いは本当に勘弁してくれ。……勘違いで、間違いであってくれ。


『すっかり快楽を覚えちゃったみたいだねぇ?あぁ……凄いな、後ろヒクヒクさせちゃってる。毎日シテいて解れたままだから、指も簡単に入っちゃうねぇ。圭吾のナカはいっつも空っぽだから好きなタイミングで喰べても平気とか、もう完璧過ぎてずっと挿れていたくなるよ』

琉成のモノがまだ挿入はいった感触があるままなのに、唾液で濡らした本物の指がナカに入ってくる。妄想とは違ってゆっくりと、とても丁寧は動きだ。なのに頭ん中では俺の太腿を力強く掴んで持ち上げ、陰茎を激しく打ち付けてくる感覚を被せてきた。

『んぐーっ!』

容赦無い感触が襲いかかってくるのに、現実では優しい手付きなせいでギャップがヒドイ。伝わってくる妄想では無理矢理犯す様に俺を抱くクセに、実際には大事に大事に扱ってくるとか卑怯だろ。

先走りが流れ落ちる陰茎に舌を這わせ、裏筋を舐め上げてから琉成が自分の口内へと押し入れていく。その間も刺激を与え過ぎて声が大きくなってしまわない様に気遣いながら扱ってくれているのに、やっぱり脳内ではぐぽぐぽと音が鳴っていそうなくらいに抱かれているせいで、ちょっとの刺激だけで俺は難無くまた絶頂へと達してしまった。

『——んぐっ⁉︎』

ほぼ咥えただけに等しいタイミングで精液が口内に吐き出された事に驚いたのか、瞳をくっと開け、琉成が肩を震わせた。突然の事だったのに気持ちをすぐに切り替え、一滴も溢す事なく苦い液体を飲み下していく。そしてずるりと陰茎を口から抜き取り、愛おしげに頬擦りをしてから軽いキスを俺のモノにしやがった。ソレが俺の本体かってくらいの扱いだ。


『気持ち良かったんだね。嬉しいなぁ、こんなに興奮してくれるだなんて』


立ち上がり、歓喜した瞳で俺を見下ろす。 ぺろりと唇を舐めながら着ている服を軽く捲り上げ、ベルトを外してズボンの前を開けると、穿いている下着を下げてギンギンに滾っている自身の陰茎を俺の前に晒した。ヒクヒクと動くソレからは先走りが流れ出ていて、コイツのも少しの刺激だけで簡単に弾けそうに見える。そりゃそうだろ、妄想の中では散々に俺を犯し尽くし、それは今でも続行中なせいでこっちの体はボロボロのグダグダだ。眦からは止めどなく涙が零れ、タオルを噛まされている口は力を入れ続けているせいですごく怠い。


『挿れたいけど……人通り多いんだよなぁ、此処のトイレ』


残念そうに息を吐き、汗っぽくなっている髪をかきあげる。下はモロ出し状態なのに、そんな仕草がカッコイイとか、いっぺん死んでくれないかなぁ。

『太腿貸してもらうね。その方が声我慢出来るでしょ?』

妄想をやめてくれていない時点で保証は出来ない。だが当然それを伝える事などは無理なので、ぐったりした体がこれ以上は崩れない様に両手を壁に当てて突っ張った。力がほとんど入っていないので無駄かもしれないが、何もしないよりはマシだろう。

『ん、いいこだね』と言って、俺の頭を優しく撫でる。妄想では犯し続けておきながら、何でここまでリアルの行動は真逆の事が出来るんだろうか。


俺の脚を持ち上げて閉じさせる。細いせいでどうしたってできてしまう隙間を無くす様に少しだけクロスさせ、ぴっちりと閉じられた内腿の間に琉成が己の陰茎を押し入れた。潤滑剤は無いが、自身の先走りのおかげでずるんと難なく入ってくる。裏筋が擦れ合い、気持ちいいには気持ちいいのだが、少し物足りないと思うのが悔しくてならない。だが、それを補うみたいに妄想が再スタートしやがった。当然ソレは俺のナカに挿入り込んできていて、激しく突き上げてくる。こちらの事なんぞガン無視した動きは俺の体をオナホ扱いでもしているみたいだ。なのにやっぱり現実の琉成はゆっくりと優しく動いてくれるせいで、下っ腹の奥がキュンキュンと疼いて止まらない。妄想との差があればある程に愛されている気がして嬉しくもなってしまう。


(コイツ、どんだけ俺が好きなんだよ、ったく)


興奮のせいでお互いにあっさり達し、何とか妄想もせずにいてくれる様になり、後片付けなどは全てやってくれた。


——だがしかし、その後も一緒にご飯を食べに行きゃあ店内でローターの様なオモチャを入れるプレイを楽しむ妄想をしたり、服を買おうと立ち寄った店の更衣室に入った際にはそこで後ろから挿れられたりなどなどをされる想像をされてはしまったが、そのせいで妙な気分になってしまったとしたって、琉成は絶対にその場では俺を襲う様な真似はせず、必ずトイレや路地裏などの人目につかない場所へ俺を連れて行ってくれたのだった。

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