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青side
「….なんで僕の名前を..?」
「…青くんだよね知ってるよ」
「10年前…」
「あああああー!!!」
橙くんがずっこける勢いで
眼帯をつけた人の口を塞ぐ。
橙くんが叫ぶからこの人の声が
聞こえなかった…。
「え..なんて言ったの?」
「あああ〜、この子俺の親戚で
さっきまで一緒にいて〜、」
「なんかここに興味あるって
言ってたから見学がてらここに..」
「ちが..俺はにっ…」
「医学部居るらしいんだけど
結構躓いてて俺か教えてて〜!」
「は..はぁ..。」
「そう!だから、こう、、、
教えてやってる最中なんよね!」
「やからごめんちょっと
散らかすかもやわ〜www」
「いや別にそこは気にしないけど」
「ならいつかここに来るんだ、
いいね、結構グロいのに根性あるなぁ」
「ん..ぐぐ…、!!💢」
「じゃ、またちょっと見学させるわ!
じゃあまたな青〜〜!!!」
「あーうん、じゃーね橙くん」
なんか見た事あるような人
だったけど、橙くんの親戚だし
知るわけないよね。
橙くんが言うんだから、
きっと違うだろう。
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「まじでなんでいる!!!」
「お前が俺の袖を引っばった!
俺はついて来いって言われて…」
「俺はそんなん言ってへん、
赤の袖も引っ張ってへん!!」
「…いや、今話すのは
これじゃない気がする」
「…あの子が青くんなんだ、本当に
名前だけしか思い出せてないの?」
「..ああ、まぁ、桃の方やけどな」
「え、紫くんのことは?」
「俺紫くんが起きたら見せようと
思ってたんだけどなあ、」
「言うまで忘れる、なんてこと
有り得ない、よね」
「紫くんのことあんなに
愛してたのになぁ」
赤は暗い顔をしてちょっと
俯いている様子。
とにかく、今の青と赤を
会わせるのは危険だ。
「…紫くんが生きてる事、
いつか言いたいな」
その日はとにかく日差しが強くて
赤の家へ早足で行った。
あついあつい、と焼けるように
熱い背中を擦りながら入る。
赤は一目散に紫くんのいる部屋へ
駆け寄って紫くんに寄り添う。
俺は手を洗って水道代が
危なさそうだなと思いながら
できるだけ節電してやる。
風呂を掃除して、傘増し用の
2リットル賞味期限切れ水を
ふろ場に沈めて軽くボタンを押す。
服を干して、洗って、
洗面所と台所の掃除。
色々家事をしてやって、一通り
終わったのでなんとなく、
赤の所へ行くと
起き上がった赤の麗しき愛人が
外を儚げに見つめていた。
赤はずっと突っ立っていたのか
唖然として、その姿を見つめていた。
麗しき赤の愛人は誰かを探すように
外を開けて、髪を震わしている。
俺はとにかくその姿に打たれ、
赤や青が惹かれた理由が分かった。
華奢な体に綺麗な顔立ち、
優しい雰囲気を漂わせていた。
でも少しミステリアスな
感じは抜けなくてその世界観に
心臓が痛くなっていく。
俺は電気をつけて、
紫くんに俺らの存在を教える。
「………青、ちゃんは?」
彼が生き返って1つ、
言葉を発した言葉はこれだった。
赤は青が優先されるのが
ちょっと嫌だったろうけど、
紫くんの近くに行って
ぎゅっと抱きしめた。
「よかった」
耳元で言って紫くんは
驚いて目を点にしていたが、
安心したように少し微笑む。
俺の姿を見て誰だという顔をする。
無理もないのだが、
知りあったことも無い人なのに
とてつもなく愛おしく思えた。
赤が紫くんから離れて、
いろいろ話しだした。
「俺は紫くんと、青を殺そうとした
あの電車の通り魔事件の犯人で、
俺はね、紫くんの事を生かしたの」
「それに、紫くんがあげたものは
青くんの中でちゃんと生きてる」
「俺はずっと紫くんのことを見てた
殺そうとしたけど、俺は紫くんのこと
めちゃくちゃ、本当に好きなの」
「紫くんは俺の事なんか眼中にないし
それは絶対だってわかってるけど」
「生きてるってだけで、それでいいの」
「,…………」
「ごめんね、紫くんっ」
紫くんは名前も無防備に聞かずに
一度自分を殺めた人間に、
こうやって言われるのは嫌なのか。
紫くんは、どんな人間か。
それすらよく分からないけど
「..生かして、くれたんだ」
「ありがとう」
「これでいっぱい作品作れる
それに青ちゃんと会えるんだ」
「早く会いたいなぁ、
青ちゃん、寂しがってないかな」
「…..っ」
青には、もしかしたら
桃だけなのかもしれない
青はすっかり忘れて、
それで、紫くんが….。
言葉を失ってしまった。
「…それと、..あなたは」
「あ、えっと、青の同僚で…」
「え、っ青ちゃんの?今大丈夫?
青ちゃん寂しがり屋だからさ」
「結構やばい?元気?」
「…………うん、元気やで」
青は今桃のことを思い出すために
今必死こいて頑張っている。
思い出せない大切な人のために。
そんな青に紫くんをぶつけたら
青が混乱してしまったら、
大切な人どころじゃないかもしれない。
これは、大惨事になりそう。
「俺今からでも動けるかな、
無理でも青ちゃん家に行きたい」
「ごめん、無理聞いて」
今青と会わせたら、
紫くんは苦しくなってしまうかもしれない
それでも、それでも紫くんは
きっと聞かなさそうだな
青とおんなじ人だと思う
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青の家へタクシーで行く
紫くんは少し辛そうだったが
なんとか動けるようで、
会えるのを楽しみにしていた
赤は自分のことを認めるような、
自分のことを許してくれた紫くんに
心を正され責めることをやめている。
外を哀れむように見ていた目は
輝かしく光っていた。
「…ここら辺ですよね、
家前まで行きましょうか?」
「!、いや、大丈夫です」
「そう、料金は…..」
運転手さんにお金払って、
とりあえずたどたどしく歩く
紫くんを支えていく。
赤はいざという時の為に
後ろにまわっていた。
久しぶりに会う死んだ恋人に会って、
まず、何を思うのだろう。
青は大丈夫なのだろう。
大好きな恋人に会う時とか
夢にも思わないだろうな。
青の家の前へ行き、
インターホンを押す。
何年越しなんだろう
何度青はその声を聞きたくて
夜を更かしてきたんだろう
数え切れない俺の記憶が
俺のあの人への思いが連なり
あの人を忘れなくする
ああ、まただ
誰か救われたらあの人を思いうかべ
苦しくなり脳から吐き出すのを待つ
青に俺の名前を言って
出てくるように指摘する
青は寝起きの低い声で、
面倒くさそうだか起こす
「…俺隠れてようかな、
それでばぁって脅かして..」
「あ、もうくるから時間無いわ多分」
「えー、まじか、なら、仕方ないな」
青の玄関にある柵のような物を飛び越え
ふわっと上着をうかせていく。
もう玄関の扉の前へ行って、
青か鍵を外した音が聞こえる
「なぁに橙くーん….」
「久しぶり。青ちゃん」
「….覚えてる?」
紫くんは黒っぽい髪を揺さぶって
へらっと一瞬下を向いてからわらう
「…紫、落ちちゃったね、
俺落ちないようにしてたのにな」
「ごめんね、大好きだって
あの日言ってくれたのに」
「……….ただいま青ちゃん」
「…紫くん」
「………………どうして」
「なんで、生きてるの、?」
俺よりも赤の方が衝撃を受けていた
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シリアス展開がちょっと
えぐいですね、、、、
でもハピエンなんですよね、、、
知ってましたか、、、、
ハピエンなんですよ、、、、
すいません。主の性癖かも