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コメント
1件
うわあああ読み終えたよ…!!😭💦 めっちゃ深い…!戦いに勝ったあとの“その後”がもうたまらん。ライナーたちは勝利したけど、残るのは焦土と復興の重み。それにアテイラの内面の揺れが切なくて…「神託の真意って何だったんだろう」って問いかけ、すごく心に刺さった。そして最後のトルトブルグ大森林が不穏すぎる…!勝者の道がまさかまた新たな戦場になる伏線とか鳥肌立ったよ…😭💕続きが気になりすぎる!!
ガラメールは夜陰に紛れ、わずかな供回りだけを連れて戦場を離脱した。
燃え落ちる陣営を一度だけ振り返る。
敗北――。
その二文字を胸に刻みながら、黒い森へ馬を進めていく。
同じ頃。
騎兵隊長ゲリダリクもまた、生き残った騎兵をまとめて戦場を脱していた。
誇り高きヴァルケン軍は、ついにガラリア侵攻を断念したのである。
本営では、王アテイラが静かに天幕へ戻っていた。
帰還する兵は皆、疲れ切った表情を浮かべている。
負傷兵のうめき声。
折れた槍。
血に染まった軍旗。
勝利の宴などあるはずもなかった。
「兵の再編は任せる。」
アテイラはそう言うと、軍師オルフェンスへ全権を委ね、自らの部屋へ入った。
椅子に腰を下ろすと、誰もいない部屋で静かに目を閉じる。
(……神託。)
雷神トールから授かった言葉。
――部族をまとめ、西へ向かえ。
その一言だけだった。
(俺は信じていた。)
(神なき土地を討ち、世界を統一することこそ神の意思だと。)
だが、現実は違った。
大軍を率いて西へ進み、多くの都市を蹂躙しながらも、最後には敗れた。
(違う……。)
(目的は、世界征服ではなかったのか。)
静かな沈黙が流れる。
アテイラは拳を握った。
(では、神は何を望んだ。)
(部族をまとめること……。)
(それだけで目的は果たされたというのか。)
(神の真意とは、何なのだ。)
その時だった。
「失礼します。」
天幕の幕が開き、ゲリダリクが姿を現した。
鎧にはまだ戦場の土がこびりついている。
「戻ったか。」
「はい。」
アテイラは椅子から立ち上がり、彼を奥へ招き入れた。
「報告を聞こう。」
ゲリダリクは一瞬だけ言葉を選び、ゆっくり口を開く。
「……妙なことが起きています。」
「妙なこと?」
「ガラリアの諸部族です。」
その名を聞いた瞬間、アテイラの眉がわずかに動いた。
「ほとんど戻ってきません。」
「何だと。」
「撤退命令は伝わっています。しかし、各部族の軍勢が本隊へ合流していないのです。」
アテイラは無言で地図へ目を落とした。
「別の場所へ向かっているのではないか、と。」
ゲリダリクの声は低い。
「確かな情報か。」
「まだ断定はできません。」
「撤退の混乱で散り散りになっているだけかもしれません。」
「ですが……数が多すぎます。」
部屋に沈黙が落ちた。
アテイラは地図の上に指を置いたまま、微動だにしない。
やがて、小さく息を吐く。
「……ふむ。」
胸の奥に、戦場で感じたことのない寒気が走った。
神託は終わった。
そう思った瞬間に起きた、この不可解な動き。
偶然とは思えない。
(まさか……。)
(部族をまとめたこと自体が、神の目的だったのか。)
アテイラはゆっくりと顔を上げた。
胸騒ぎは、ますます大きくなっていく。
その予感が何を意味するのか――。
まだ誰にも分からなかった。
一夜が明けた。
勝利を収めたグラン軍の陣営には、まだ歓声の余韻が残っていた。
兵たちは互いの健闘を称え合い、生還を喜ぶ。
だが、将軍たちに休む暇はない。
机の上には次々と報告書が積み重ねられていく。
略奪を受けた村や町はあまりにも多かった。
焼け落ちた集落。
奪われた家畜。
行方知れずとなった住民。
さらに、敗走したヴァルケン軍の残党も各地に散らばり、なお略奪を続けているとの報せが相次いでいた。
「勝って終わりではない。」
誰もが理解していた。
この戦いは、ガラリアを取り戻すための始まりにすぎないのだ。
軍議では、諸将の意見は自然と一致した。
「掃討戦へ移行します。」
「各地に兵を分散させ、残敵を排除し、住民を保護すべきです。」
「今回の勝利で、ヴァルケン側についていた部族も態度を変えるでしょう。」
「今こそガラリアを完全に取り戻す時です。」
ライナーも静かにうなずいた。
勝利は戦場だけで決まるものではない。
その後の統治こそが、本当の勝敗を決める。
やがて、現地を最も知る将軍アルミンが一枚の地図を広げた。
「各軍の担当区域です。」
彼は慣れた手つきで地図の上を指先でなぞっていく。
「あとは私の案内する部族長が、それぞれ現地まで導きます。」
アグリや各将軍は配置を確認し、それぞれの任務へ散っていった。
一方、ライナーとドルトスには別命が下る。
「お二人は総督府へお戻りください。」
アルミンが言った。
「現地行政の立て直しには、王自らの姿を見せることが必要です。」
ライナーは異論なくうなずく。
その時、ドルトスが尋ねた。
「街道は安全なのか。」
アルミンは少しだけ考え込むように地図へ目を落とした。
「念のため、人目につきにくい道を選びましょう。」
そう言って、一筋の細い道を指差す。
「こちらです。」
その先に記されていた名を見て、部屋の空気がわずかに変わった。
――トルトブルグ大森林。
ガラリア最大の深い森。
昼なお薄暗く、古くから旅人を飲み込む魔の森として知られている。
森を貫く街道は一本だけ。
そこを抜ければ、最短で総督府へ辿り着くことができた。
「ここなら敵も大軍では動けません。」
アルミンは静かに言った。
「少人数で進むには最も安全な道です。」
ライナーは地図を見つめ、小さくうなずく。
「では、その道を行こう。」
その決断に、誰一人として異を唱える者はいなかった。
だが、その場にいた誰も知らない。
トルトブルグ大森林が、
勝者となったライナーたちを待ち受ける新たな戦場になることを