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もあ
44
鬼霧宗作
50
#復讐
りう。
45
さぶれ-SABURE-
1,239
メリーティアは、モモネンの花弁を煎じた薬を飲ませた翌日に目を覚ました。
「…………へい、か……?」
「あぁ、よかった、目を覚ましてくれて本当によかった……! メリーティア……っ」
涙を流して喜ぶケイリクスに対して、メリーティアは安心させるように微笑んだ。それから何が起きているかわからない、といった白々しい演技をする。
身体を起こそうとすると、ずっと寝ていたせいかあちこちが固まってしまったように動かなかった。
ケイリクスに背を支えてもらって上半身を起こす。
クッションを背もたれにして息をついたメリーティアの手を握り、彼は真剣なまなざしで見据えてきた。
「よく聞いてくれ。そなたは毒殺されかけたんだ。かれこれ一週間以上眠っていた」
さすがにそんなにも長く意識が戻らないのは予想していなかった。だからケイリクスはこんなにやつれた顔をしているのか、と冷めた感想を抱く。
「――ど、毒殺……? そんな……誰がそんな恐ろしいことを……」
「モナだ」
「まあ……皇后陛下が? まさか……信じられないわ」
「余がそばにいながらそなたを危険な目に遭わせ、すまないことをした。だが安心してくれ。あの女は廃位し、今は塔に囚われている。もう二度と地上に出てくることはない」
ケイリクスが窓から小さく見える塔を指さした。
外壁一面に鬱蒼と植物のツタが這った古ぼけた塔だ。皇后という華々しい地位にいた人間が、あの中で誰にも看取られずに死んでいくというのは、モナ本人からしてみればひどく惨めだろう。
だがしかし、それでは足りない。
メリーティアは塔を見つめながらすっと目を細めた。
その変化を敏感に感じ取ったらしいケイリクスは、眉を下げてメリーティアの手の甲を撫でてくる。
「不安か? 囚われているとはいえ目に見えるところにいるのは嫌か? もっと辺境に送ろうか?」
不安そうなのは誰が見てもケイリクスのほうだった。
今回のことは、彼のもとにいたせいで命が脅かされたとも言える。メリーティアの心が離れていかないように必死なのだろう。
矢継ぎ早に質問するケイリクスのほうを向き、彼の頬を両手で包み込んだ。
ぐっと顔を近づけると、ケイリクスは緊張で息を呑む。
「――あのお茶は、あなたも飲むはずでしたわ」
「…………え?」
「あなたに出されたお茶も、同じティーポットから淹れられていましたわ」
「あ、ああ、そのとおりだ」
「あなたも毒殺されかけたのです。この国でいちばん尊い、皇帝の、あなたが。――そうでしょう?」
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