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口角が…壁に突き刺さって帰ってきませ〜ん
神様
11
リビングの床に散らばった、赤い絵の具。
それをなつが手際よく拭き取り、いるまがすちの手から筆をそっと預かった。
すちは、LANの腕の中で、まだ時折小さく肩を震わせている。
「……ごめんなさい。……おれ、せっかくもらったのに……汚しちゃった」
萌え袖の先で顔を隠し、消え入りそうな声で繰り返すすち。
そんな彼を、みことが後ろから包み込むように抱きしめた。
「すちくん、自分を責めないで。……汚れたなら、また白く塗ればいいだけだよ。僕たちが、何度でも手伝うから」
「そうだよ! むしろ、あんな怖い絵を描き切らなくて偉かったね、すちくん!」
こさめが、すちの膝に乗るようにして顔を覗き込み、わざと明るい声で笑いかける。
「……でも、おれ……また、やっちゃうかも。……急に、怖くなって……」
すちが不安そうに、包帯の巻かれた自分の腕を見つめる。
その視線を遮るように、らんがすちの顎をクイッと持ち上げ、真っ直ぐに瞳を見つめた。
「いいか、すち。……お前の中にまだ毒が残っているなら、俺たちがそれを全部吸い出してやる。……お前が一人で戦う必要なんて、どこにもないんだ」
らんは、そのままひょいとすちをお姫様抱っこにした。
「……らんらん? どこ行くの……?」
「お前の部屋だ。……今日はもう、お絵描きはおしまい。……全員で、お前の『安心』を上書きする作業に入る」
ボスの宣言に、他の四人も「了解!」とばかりに立ち上がる。
リビングから寝室へ。
マフィアの精鋭たちが、一人の少年のために、今日すべての任務を放り出した。
広いベッドに、すちを中心にしてみんなで潜り込む。
右にはなつの大きな体、左にはこさめの甘えるような体温。足元にはいるまがどかっと座り、頭元ではみことが優しく髪を撫でてくれる。
「……なに、これ。……ぎゅうぎゅう、だよ」
「いいんだよ。こうしてれば、嫌なこと思い出さないでしょ?」
こさめが、すちの萌え袖の中に自分の手を差し込んで、指を絡ませる。
「……お前が『もう大丈夫だ』って言うまで、俺たちはここを動かねぇからな。……覚悟しろよ、すち」
なつが耳元で低く笑う。
五人の体温と、それぞれの香水の匂い、そして自分を呼ぶ優しい声。
鉄の匂いしか知らなかったすちの心に、本当の意味での「居場所」が刻まれていく。
「……みんな。……だいすき、だよ」
微睡(まどろ)みの中でこぼれたその一言に、兄貴たちの心臓は再び、完膚なきまでに撃ち抜かれたのだった。
達成早いよ、、ありがとね💕
次回♥️200💬1
甘月 莉兎
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