テラーノベル
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光子郎は、全員を集めた。
捜査に手伝ってくれた執事も、お手伝いも、権兵衛も
純も、その輪の中にいた。
「結論から言う」
光子郎の声は、淡々としていた。
「純の病は――治せない。不可能だ」
一瞬、空気が止まる。
誰も声を出さない。
誰も、すぐに何かを言えなかった。
権兵衛が、ぎゅっと拳を握る。
執事は目を伏せ、お手伝いは唇を噛んだ。
純は――
ただ、少しだけ寂しそうに笑っていた。
光子郎は、純のほうを見る。
「……すまない」
短い、その一言。
純は首を横に振った。
「ううん。謝られることじゃないよ」
それでも、沈黙は続いた。
重くて、どうしようもない沈黙が。
―――
その日から、屋敷の空気は変わった。
執事は必要以上に声をかけ、
お手伝いは過剰なほど気を配り、
権兵衛は、常に純のそばにいた。
「大丈夫か?」
「無理するな」
「休んでいいぞ」
優しさいや同情
でも、それは、純にとって息苦しいものだった。
まるで、
“もうすぐいなくなる人”として扱われているみたいで。
純の表情が、少しずつ曇っていくのを
光子郎だけは、見逃さなかった。
「……いい加減にしろ」
低い声が、屋敷に響く。
「いつも通りでいいと言ったはずだ」
全員が、はっとする。
「特別扱いするな。
同情も、遠慮も、いらない!そんなことも分からないのか愚か者め」
一拍
「それは、俺の下僕が一番嫌がっている」
沈黙。
そして――
「大変失礼致しました」
「申し訳ございません…」
「……すまなかった」
執事が、
お手伝いが、
権兵衛が、頭を下げた。
純は、少し驚いてから、笑った。
「大丈夫だよ。ありがと」
空気が、元に戻る。
ぎこちないけれど、
**“いつも通り”**に
―――
その日の夜。
純は自室で、窓の外をぼんやり眺めていた。
ふと、気配を感じる。
窓際。
月明かりの下に、
一匹の黒猫が座っていた。
金色の目が、こちらを見ている。
「……猫?」
窓の外から。
「にゃー」
短く、はっきりと。
純は、なぜか目を離せなかった。
黒猫は動かない。
逃げもしない。
ただただ不穏な空気だけが流れた
続き⇨♡なし!
コメント
7件
まぁ、そうだよね…いつも通り接してほしいよね? めっちゃ続き気になる!
そうだよね…純もいつも通りがいいよね…実感が湧くのが嫌なんかな…?頑張ってください!いつも応援してます!
(。>﹏<。)…最高すぎません✨️ 最後どう終わるんだろーう(・ัω・ั) まだわからない。 続きが気になる((o(´∀`)o))ワクワク