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とある場所。のどかな自然とともに鳥やリスといった動物たち、魔物たちが暮らしている。たくさんの緑、涼しい風。まさに
最高の場所だ。
そんな中、一匹の白い体に黒い翼をつけた猫のような姿がいた。
「にゃ〜!今日も、空気が美味しいにゃぁ〜」
手を伸ばし、尻尾をピンと立てる。口をあけて、「くわぁ〜」とあくびする。目は赤く、手には鋭い爪がある。背中の翼を広げ、目の前にある川にダイブする。
ざぷんと音を立てる。日光で照らされたその一匹の猫のような姿。下を見て、
「わあ〜!お魚がたくさん!今日もお腹いっぱいにたべれそうだにゃぁ〜」
とのんびりとした口調で言う。ぬれた手で、さかなを取ろうとしたその時、
「こら!ルディ!勝手に外に出ないで 」
と怒った顔のもう一匹の姿があった。
「ごめん!母さん。毎日が楽しくて…。しかも今日はようやくこの自慢の翼でお空を飛べるんでしょう??」
取ろうとした魚が逃げてしまったが、キラキラとした顔をしながら言った。彼の名前はルディ。キティバードという魔物の種類だ。
「そうね。飛ぶのを楽しみにしているのはいいことよ。」
「早く飛びたい!そして、大空を冒険するんだ!そして、ニンゲンたちを一目でも見てみたい!」
ルディのお母さんは、ため息をついた。
「だめよ。大空を冒険するのは全然いいわ。だけど、ニンゲンを見ようとするのはやめてちょうだい。」
「大丈夫だよ!空を飛んでいれば大丈夫だって!」
元気よくそうルディは声に出していった。
「ニンゲンはね。空を飛んでいても、魔法や弓矢で攻撃してくるのよ?」
「だったら、僕もそのニンゲンに攻撃すればいいんじゃないの?」
「それはできないわ。あなたのお父さんは、ニンゲンに挑みにいったわ。「ニンゲンを倒してくる」って。でも、その後から帰ってこないのよ。」
悲しそうにルディのお母さんは言った。
「そんなのわからないじゃん!僕なら勝てるかも!そんなことより、早く空を飛びたいよ〜!お母さん!飛び方を教えて!」
ルディのお母さんは、ため息をついて、
「はいはい。わかったわ。」
と言い、ルディに飛び方を教えた。
—2ヶ月後—
「よし!」
バサンと大きな音を立てた。ルディの足が地面から離れる。
空を飛べるようになったルディは、はしゃいでいた。
これで、大空を飛べるぞぉ〜!とわくわくしている。さっそく飛んだままお母さんのもとに行く。
「お母さん!僕はもう飛べるよ!だから
さ、冒険しに行きたいんだ!」
『冒険しに行きたいけど、ニンゲンも見てみたいんだよね。だけどその事を言ったら、絶対にお母さんから止められちゃうよね。』
と、ルディはまだニンゲンを見たいという気持ちがあった。
「そうね。あなたはもう空を飛べるわ。だから、もう、安心して冒険させてもいいんだけどね。」
「だよね!」
ルディは、冒険に早く行きたいと言う気持ちがこみ上げた。
「でも!」
お母さんは、ルディの心の中を読んだように言った。
「ニンゲンを見に行こうとか思ってないわよね?」
ギクッ!ルディは、
『なんでお母さんがそんなこと知ってるんだよう!まあ、確かに、前にニンゲンみたいって言ってたけどさ!』
『もしかしてお母さんは、エスパーというものなのか?』
お母さんを、ジッと見つめた。
「はあ。やっぱりね。仕方ないわ。あなたはもう立派な大人だもの。でも、絶対にニンゲンを自分から見に行ってはだめよ。ニンゲンにあったら、すぐ逃げなさい。」
真剣な顔で言うお母さん。ルディは、あることを思いついた。
「僕が冒険に行って、お父さんを探しに行くのはどうかな?」
ルディは、名案でしょ!というふうに、大きく目を開けていった。
「…あなたのお父さんは…」
ルディのお母さんは、悲しいような顔をしてそう口にする。
「まあ、いいわ。見つけられるのなら。でもね、お父さんがもし、見つかったら… 」
ルディのお母さんは深呼吸をして、真剣な目で言った。
「逃げなさい。」
「どういうこと? 」
ルディは、わけが分からず、困惑していた。