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「 ふっか、いらっしゃい。 」
「 ん… 」
久しぶりに見た翔太は、外見がだいぶ変わっていて 金髪になっていた
不覚にもかっこいいと思ってしまう。
「 順調に仕事たくさん貰えてるよな~ 」
「 …あぁ。 」
「 今回は、BL…だっけ? 」
こいつには 俺がなにを隠そうと、筒抜けだ。
「 キスとかしてんの? 」
「 …お前に関係ないだろ。 」
「 …酷いなぁ。
俺が仕事回してあげたから、そのドラマの仕事もきたのに…教えてくれないの? 」
ことある事に昔のことを蒸し返して、
俺を黙らせる。
翔太のこういうところが嫌いだ。
「 … 」
「 …今回の共演者、ラウールくんだっけ? 」
「 っ、なんで知って…! 」
「 俺、あの子と共演したことある。
俺がやってた映画の弟役。
そん時は~…15歳とかだったな。 」
なぜ、わざわざラウールの名前を出してくるのか理解ができない。
でもこいつの場合は、絶対になにか裏がある。
「 …そんなに警戒すんなよ。笑
ただ、あの子いい子だから…お前の名前出したらホイホイついてきちゃうだろうなって思ってんだよな。笑 」
「 …どういうことだよ。 」
「 …まぁ、そんな事どうでもいい。
ほら、来いよ。 寝室行くぞ。 」
あいつは何かを含んだような言い方をして
ブツっと話を切った。
そういう奴なんだ。こいつは。
重要なところは口にせず、相手の想像に委ねて少しづつ壊していく。
「 んっ、…ぅ“… 」
あいつのものを咥える。
あいつは、俺を見下しながら頭を撫でてくる。
不愉快でしかない。
早く終わらせて家に帰りたい。
ただでさえ体調が悪いのにストレスで悪化したら最悪だ。
「 …ふっかさぁ、いつになったら俺とやってくれんの? 」
「 …なに言ってんだよ、…ん“、 」
「 …いっつも俺だけ気持ちよくさせてもらっちゃってるし、ふっかもどうかなって。 」
こんなの表面だけだ。
実際は、性処理に使いたいだけ。
「 そんな気遣い要らねぇよ。 」
「 …冷たいなぁ…。 」
「 ふっか、泊まってかないの? 」
「 帰る。 」
振り返ることもなく、あいつの部屋を出た。
罪悪感に包まれ、とてもしんどい。
いつも、いつもそうだ。
急いで家に帰った。
ー 翌日 ー
「 おはよ、… 」
「 深澤さん、おはようございます!
体調治りました?もう1日くらい休んでも大丈夫なのに… 」
「 ん、大丈夫だよ。
昨日は悪かったな、マネージャー。 」
送迎車に乗り込んで、そんな会話を交わす。
マネージャーは バックミラー越しにこちらを見て、溜息をついた。
「 …ほんと、頑張りすぎなんですよ。
深澤さんはどんな仕事も受け入れるから、とりあえずスケジュール組んでますけど…普通の人間ならこなせない仕事量なんですよ?
もう少し、休むってことを覚えてください… 」
「 …はいはい。すみませんね。 」
「 も~…真剣に聞いてないでしょ…、 」
「 ちゃんと聞いてるよ。 」
窓の外を見る。
朝早くて、人通りはほとんどない。
でも俺はこの時間帯の街が好きだ。
まだ、人間も乗り物も
街自体も起きていないような
そんな空間。
いつもの騒がしい街から切り離されて
俺だけが孤立しているようなそんな空間が。
「 ……」
「 …深澤さん、ずっと上の空ですけど大丈夫ですか、? 」
「 ん…大丈夫だよ、 」
「 おはようございま~す。 」
「 ぁっ、深澤さん、!
体調大丈夫なんですか…!? 」
「 おぉ、蓮…大丈夫だよ、ありがと。 」
わしわしと頭を撫でる。
俺より大きい大男が不安そうな顔で近寄ってくると、やっぱり可愛いと思ってしまう。
「 …子供扱いしないでください、 」
「 4歳下は俺からしたら子どもだよ。笑 」
「 …うざいです、 」
「 え~…そんな事言わないでよぉ、笑 」
「 子供扱いされるのうざいです…! 」
そう言う蓮もなんとも可愛くてちょっかいを掛けてしまう。
ふと、奥の扉を見ると
ラウールが顔を出していた。
「 ぁ、ラウール。 」
そう口にすると、ラウールは不機嫌そうな顔でドスドスと歩いてくる。
「 ぇっ、…なに、どうしたの… 」
言葉を言い切る前に、蓮の頭に乗せていた手を掴まれた。
「 ぇ、…どうした…、? 」
「 …人たらし。」
「 はぁっ!?!?
何が人たらしだよ…急になんだ!? 」
思わず、強い言い方をしてしまった。
すると、掴んでいた手を引っ張ってハグしてきた。
「 っ、ぉいっ、!?!? 」
「 目黒さん、…深澤さんのこと好きなんですか…、 」
「 … 」
蓮に謎の質問をするラウール。
蓮は少し間をあけて答えた。
「 好きだよ。
でも、恋愛としては好きじゃない。 」
「 そ、そりゃそうだよなっ…、
ほら…ラウール、早く離れろっ…! 」
ラウールの胸を押す。
しかしそれとは反対に、もっと強く抱き締めてくるラウール。
「 …俺は好きです。 」
「 っ、はぁ“!?!? 」
こいつは何を言っているんだ…!?
ラウールは俺のことが好きって言うし、
蓮は謎に頷いているし…、
意味がわからない。
「 深澤さんは、…俺のものですから…。 」
「 うん、前からその認識だよ。
安心して。俺、深澤さんに性的魅力感じたことないから。 」
「 ん“…? 」
絶対それで正解なのに、なぜか少しショックを受けている自分がいた。
俺はがっちりホールドされて動ける気配がない。
「 ラウール、頑張ってね。 」
「 …はい! 」
何故か2人で分かり合って言葉を交わしている。
俺はその2人を割くように、叫んだ。
「 らう、離せっ…! 」
「 もぉ、深澤さんうるさい、 」
「 いや、お前がおかしいんだろ! 」
「 …知らないです。 」
「 とぼけるな! 」
下唇を突き出して、あからさまに拗ねた顔をする。
子守りしているみたいだ。
「 ほら、ラウール…分かったから離れろ…!」
「 なんでですか…! 」
「 いい歳のおっさんが、23の若い奴と抱き合ってるの、普通に考えて異常な光景だろ、! 」
「 29歳の頭を34歳が撫でてるのもおかしいでしょ、! 」
ああ言えばこう言う
とは、こいつのことだろう。
「 …、とりあえず離せよっ… 」
「 …嫌ですか? 」
「 … 」
嫌なわけじゃない。
嫌な訳ない。
34年も生きてきたのに恋愛経験ほとんど無くて、こんなに真っ直ぐ気持ちを伝えられたことも無い。
だから、自分が分からない。
これ以上ラウールと関わっていたら、自分が見えなくなりそうで
怖い
「 …嫌、じゃないけど………嫌。 」
「 …どういうことですか? 」
ラウールの力がふっと抜けた。
その瞬間を狙って腕の中からするりと抜ける。
「 馬鹿! 無許可で抱きついてんじゃね~よ! 」
「 はぁ“!?
ちょっと、深澤さん!! 」
振り返ることもせず、走ってトイレへと向かった。
「 深澤さん…、マジでどうしたんだろう… 」
そう独り言を言っていると、
あいつが来た。
「 ぁの、ラウール… 」
「 …康二くん、また茶化しに来たの? 」
「 ち、違うねん!
聞いてほしいことがあって…! 」
いつになく、困ったような顔をしている康二くん
「 …どうしたの。 」
半信半疑で、問うと一息ついて口を開いた。
「 …俺、こないだ共演者 …から、好きやって言われてんか… 」
深刻そうな顔でそう言う康二くん。
俺は拍子抜けしてしまった。
「 …なんだぁ…そんなことか、
そんなよくある事を深刻そうな顔で言わないでよ~ 」
「 ょ、よくあることやないんよ…!
俺も、女性からは言われたこと何回かあるけど、…その人、男なんよ… 」
「 あ~、…別に珍しいことじゃなくない?
俺、BLドラマの現場結構入ったことあるけど、主演同士でリアルに付き合い始める人とかいたし、俺もサブカプ相手に好き好き言われるし~」
わざとらしくそう言うと、いつもの康二くんに一瞬戻った。
「 い、いや、好きってそういうんじゃないやん! 」
「 だから、康二くんがどう思ってるか教えてくれないとアドバイスのしようがないよ。
嬉しかったのか、嫌だったのか。 」
康二くんは少し口ごもった。
目を泳がせて可愛い顔をする。
「 …嬉しかったの? 」
「 ……わからん。
俺、人には好き好き言うてきたけど…人からちゃんと言われたん初めてで…
頭の整理がついてへんくて、 」
「 なに童貞みたいなこと言ってんの。」
「 はぁ!?!?
こっち真剣に相談しとんのに、童貞ってなんやねん!
ラウールやって、童貞のくせに!! 」
「 ぉ、俺はまだ23だし!
しかも、卒業できてないんじゃなくて、意図的にしてないの!
いい歳して告白されただけでそんなに動揺してる方がやばいだろ! 」
お互い痛いところを突かれて、火がついてしまった。
そんな言い合いをしていると、マネージャーが来た。
「 …2人とも。
現場でそんな下品な言葉連呼するのやめてください! 」
「 あ、マネちゃ~ん!
ラウールが先言うてきたんやで?
酷ない?? 」
「 いや、康二くんがしょうもないこと言ってくるから…! 」
「 ラウールさん、もう名が売れてるんですからちゃんと自覚して言葉使ってください!
向井さんも、小学生の挑発に乗らないんですよ、大人なんですから! 」
ド正論で一掃された。
「「 …はい 」」
コメント
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第5話読み終えたよ! 深澤さんの「嫌じゃないけど…嫌」ってとこ、めっちゃ刺さった…。自分が何を感じてるのか整理できなくて、それでいてラウールのまっすぐな気持ちに戸惑ってる感じがリアルで切なかった。康二くんの相談シーンも、お互い童貞とか言い合ってるけど実は核心から逃げてる感じがして、イライラしつつも可愛かった(笑)。 ラウールが「俺のものですから」って言った時の蓮の返しが大人で、でも深澤さんがちょっとショック受けてるのも分かるな〜。続き気になる!🔥