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翌日──
私はいじめられるかもしれないという不安を持ちつつ、鈴華を助けられなかった自分の情け無さに気を落としながら登校した。
昇降口で靴を脱ぎ重い足取りで階段を1段ずつ上がった。その先にいたのは鈴華だった。何とも言えない気まずい雰囲気が漂う。
「お、おはよう……」
無視するのも良くないと思ったので一応挨拶をしたが、案の定、鈴華はまるで聞こえてないかのようにして行ってしまった。
(やっぱりもうもとには……)
その後、いつもと同じクラスに入ったはずなのだが、どうしてもそこは同じクラスだとは思えなかった。なぜだろうか?いつも通りなはずなのにクラスに響く笑い声もふざけたギャグも個々の趣味の話でさえも全て自分を罵っているように感じてしまった。
怖い。ただひたすらに怖い。逃げ出したい。一刻も早くこの場から……
しかし、そんな気持ちも午後には少し落ち着き、何ということなくその日の授業を終えた。
だが、そうは言っても鈴華を校内で見かけるとどうにもいたたまれない気持ちになってしまうので今日は早く帰ろうと思っていた。
その矢先で事件は起きたのだ……
「ねぇ?ちょっとこっち来てよ」