「え、浴衣じゃないの?」
いつもより賑わっている駅前、待ち合わせ時間ちょうどに現れた裕斗が初めに言った一言はこれだった。
花火会場から一番近い駅ということもあって、周りを見渡せば浴衣姿のカップルが大勢いて、その中の何人かに目を向けた後、裕斗はTシャツにスキニーデニム姿の私の見て「why?」と両手を広げるポーズをとる。
家からそう遠くない場所での花火大会に行くのは、私にとってコインランドリーに行く感覚と変わらない。
「え、頭の片隅にも無かったけど?」
「マジかよ。期待してたのに」
「期待させてすみませんね。そもそも私、浴衣とか持ってないし」
「よし、俺が一式買ってやるから今から着替えろ」
「無駄遣いは止めてください」
「無駄じゃねーよ。俺にとってはこれ以上ない有意義なお金の使い方だ」
えーと、確か私たちって別れたってことで合ってるよね?と考えてしまうほどく**********************
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