テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
⚠タヒネタ、流血、少しの病み要素等を含みます。
苦手な方はここでやめることをおすすめします。
それでも良い方はどうぞ
なおいきなり始まります。
俺たちはとあるエッセの所へ向かっていた。
そのエッセは情報が少なく、わかっているのは
『人の血を欲すること』
『人の意識や思考などを操る可能性あり』
『暗い場所を好む』
そのぐらいだ。
だから俺たちはそれ以外の情報がないか調べるという仕事を押し付けられ………いや、渡された。
「パイセン!どこ行くんすか?」
そう言う声でハッとする。
目の前を見れば暗い路地裏の入口…。
エッセについて考えていたとしても、俺は路地裏には入ろうとしない。
絶対に。
多分俺は意識を少し手放し、路地裏へ入りかけていたようだ。
「すまない十二村。ぼーっとしてた。」
「珍しいっすね笑」
そう十二村に言われながら、十二村の隣へ戻る。
意識がなかったとか十二村に言うと、大変なことになりそうなのでそれっぽい言葉で代用し、誤魔化す。
十二村いわく、突然フラフラとしながら路地裏の方へ行こうとした……らしい。
案の定、見に覚えがなかった。
疲労かストレスでも溜まってるのだろうか…。
有給を使わないといけないから、 今度十二村と一緒にどこか行くか……。
なんて思いながら再び歩く。
すると十二村が手を出す。
「またああなったら大変っすから手繋ぎましょ」
一瞬ポカンとする。
だがすぐに、軽く笑って十二村の手を取る。
俺にとっても、こいつにとっても、安心出来るだろうからな。
「パイセン、結局今回のエッセってどこにいるんすかー?結構歩いたっすよ?」
「そうだな。前回、目撃された位置は大体この当たりだからな…いてもおかしくはないが…」
「そうっすか〜…。やっぱ夜まで待たないといけないんすかね〜」
「そうだな」
このエッセは基本的に…いや高確率で夜に現れる。
なぜ夜に現れるのだろうか。
それと狙われた人の特徴も少し偏っている。
それは男性だ。
このエッセで女性が狙われることはほとんどない。
血というか男性の血を欲しているのか……?
それに暗い場所ってのも…………
「…なぁ十二村。」
「なんすか?」
「俺、路地裏に行きかけていたんだよな?」
「?」
「そうすっよ。急にフラフラと路地裏の方に行ってびっくりしたんすからおれ。」
俺の中でひとつの仮説が出てくる。
『このエッセは昼間、路地裏に隠れている。』
そう考えると俺が路地裏に行きかけていた理由も、納得できるし、何よりわかっている情報に当てはまっている。
ここで帰って報告……でもいいのだが、もう少し情報が欲しい…。
だが、十二村を路地裏に連れていくのは…。
いや、考えてる暇はないか。
「十二村、一緒に路地裏行くか?危ないかもしれないが…」
「もちろん行くっす!!」
十二村は元気がいい声で返事をする。
十二村と共に路地裏へ入っていく。
“路地裏に十二村と一緒に行く”
これは俺にとって間違った選択だった。
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