教室がある校舎とは離れた場所にある図書室に向かっていた。
少し暗い廊下を通り、放課後ともなるとシンと静まり返る図書室の扉を開ける。
「失礼します」
「……」
「あの、図書委員に入りたいんですけど……」
「ここに名前」
カウンターを挟んで座る樹君は、顔を上げないまま、誰の名前も書かれていない名簿を指差した。
なんか、緊張する……。
「迷惑……、かな?」
「……迷惑って言ったら帰ってくれるの?」
「……」
「前に、忠告したはずだよ。ちゃんと覚えてる?俺が言った事」
「覚えてる……」
「じゃあ、なんで立花は今もここにいるの?」
樹君は少しイラついたように目に掛かってしまっている前髪を払った。私を見下ろす目は、光なんて届かない深海のように真っ黒で、気を抜くと身体ごと、深いところまで落ちてしまいそう。
さっきまでカウンター越しだった樹くんは読んでいた本を閉じて、私の元へ******************
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