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受付を済ませてから一時間ほど経った頃に、瑠衣は精密検査を受けた。


細胞診、腟拡大鏡診・組織診、内診・直腸診、超音波検査、CT検査・MRI検査、PET検査、膀胱鏡検査・直腸鏡検査、腫瘍マーカー検査の八項目。


全ての検査を終えたのは夕暮れ時、病院の窓の外に映る景色は茜色に染まり、瑠衣は身も心も疲弊していた。


検査結果が出るのは一週間後だ。


結果が出るまで、心臓が壊れそうなほど心配してしまうのかと思うと、瑠衣の心は奈落に吸い込まれていきそうになる。


(下手したら命を落とすのかもしれない。そうなれば、響野先生とは一生会えなくなるんだよね……)


ついマイナスな事を考えると彼女は上を向き、溢れそうな涙が零れないようにグッと堪えた。


消沈したような面差しの彼女をチラリと見ながら、心身の負担を軽くする事ができないか、と思案する侑。


尽天堂大学病院を後にした二人は、病棟から離れた駐車場へ向かって歩いた。




空はすっかり闇に包まれ、周辺の建物は光の粒子に覆われていた。


どんよりとした瑠衣の表情に、侑が気遣う。


「瑠衣、疲れただろ?」


彼女は力なく頷くと、愚痴とも言える事を静かな口調で呟いた。


「…………今日は色々あり過ぎて……まだ現実を受け止めきれていないよ。気持ちと身体がバラバラになってる感じ……」


「なぁ瑠衣。帰り、メシでも食いに行くか」


「うん、いきたい。入院したら……しばらく外食できないだろうし……」


「なら、今から予約入れるぞ?」


侑がスマホを取り出し、以前、双子の友人の兄、葉山圭と婚約者の園田真理子の四人で食事した西新宿の電鉄系ホテル内にあるレストランの予約を入れるが、そのまま宿泊しようと考えた彼は、同ホテルのダブルルームも予約した。


翌日は東京総芸大での仕事だが、午後からのレッスンのため、時間にも余裕がある。


(これから瑠衣は病魔と戦うために、しばらくは外出もできない。ならば今日は、出先でゆっくり二人だけの時間を過ごすのもいいだろう……)


「予約も済ませたし、早速向かうぞ」


二人は車に乗り込み、侑は西新宿のホテルへと車を走らせた。

もう一度、きかせて……

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