アマガイに来て3日目。
今日はソメイが案内してくれるらしく、私は座り慣れた椅子でぼーっと待っていた。
しばらくするとソメイが
「おまたせ!行こっか!」
と後ろから声をかけてきた。私も緩く
「は〜い」
と返事をしてソメイの隣に並ぶ。そして、ゆっくりと歩きだした。
歩きながら「そう言えばどこに行くのだろう?」と疑問に思い、ソメイに聞いてみる
「ねぇねぇ、これからどこに、行くの?」
ソメイは「う〜ん」と小さく言ってから、人差し指を自分の口元に持ってきて
「ないしょ」
と意地悪そうにとても楽しそうにニヒっと笑った。そんな表情につい見とれてしまっていると
「どうかした?大丈夫? 」
と少しだけ首を傾げてソメイが聞いてきた。
思わずハッとして
「大丈夫!楽しみにしておくね!」
と手を前に持ってきてグッとやると、安心した様に笑って
「よ〜し!じゃあ早く行こー!」
と私の手をパシッとつかみ走って行った。
少しすると、いつもの川が見えて来た。
そしてソメイがゆっくりとスピードを落とし立ち止まると私と向き合ってこう言った
「これからあの川を通るんだけど…見たらどうなるんだっけ?」
「魚になる!!」
「そう!てことで、目をつぶって渡って行くよ〜」
と言われグッと目をつぶる。
ソメイが私の手を優しくゆっくりと持ち
「歩くよ」
と声をかけ1歩づつ進んで行った。1歩、また1歩と進んで行くと徐々に川の音が大きく聞こえてきた。
大きくなればなるほど
「(目を空けたら、魚になっちゃうんだ…!)」
と心臓バクバクで緊張しながら渡っていると
唐突に前から
「え…ちょ、体ガッチガチだよ?もっとリラックスして〜…」
と困惑した様なソメイの声が聞こえ少しだけ申し訳なくなる。
するとソメイが
「深呼吸とかしてみたら?少しは落ち着くかもよ?」
と言った。私はそれに従いゆっくりと深呼吸をする。
しばらくすると少しだけ落ち着いてきた。
ほっとした様にソメイが
「もうちょっとで終わるから我慢してね 」
と優しく声をかけてくれた。
少しして音が遠くから聞こえる様になり
「よし!もう開けていいよ!」
と言われ目を開けると、シダレと来た花畑が広がっていて
「ここはもうシダレと来たよ?」
と聞くと
「ここじゃなくてもう少し先にある場所だよ!」
と返ってきた。少し驚きつつ「どこなんだろう?」とワクワクしていると、ソメイが少し上機嫌になって
「楽しみにしててねっ!」
と言いまた、2人で歩き出した。
コメント
7件
ソメイの「ないしょ」 で実際に「「かわいい」」 って声出ちゃったよ…! 自分に引いた瞬間でしたね
「ないしょ」 ……………惚れるて えっ あっ 人、これから■ぬかもしれないのか…
この物語がグロテスクになるなんて信じられないよ??