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散って舞う

14 - ソメイの案内

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2024年05月29日

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アマガイに来て3日目。

今日はソメイが案内してくれるらしく、私は座り慣れた椅子でぼーっと待っていた。


しばらくするとソメイが


「おまたせ!行こっか!」

と後ろから声をかけてきた。私も緩く


「は〜い」

と返事をしてソメイの隣に並ぶ。そして、ゆっくりと歩きだした。


歩きながら「そう言えばどこに行くのだろう?」と疑問に思い、ソメイに聞いてみる


「ねぇねぇ、これからどこに、行くの?」

ソメイは「う〜ん」と小さく言ってから、人差し指を自分の口元に持ってきて


「ないしょ」

と意地悪そうにとても楽しそうにニヒっと笑った。そんな表情につい見とれてしまっていると


「どうかした?大丈夫? 」

と少しだけ首を傾げてソメイが聞いてきた。

思わずハッとして


「大丈夫!楽しみにしておくね!」

と手を前に持ってきてグッとやると、安心した様に笑って


「よ〜し!じゃあ早く行こー!」

と私の手をパシッとつかみ走って行った。


少しすると、いつもの川が見えて来た。

そしてソメイがゆっくりとスピードを落とし立ち止まると私と向き合ってこう言った


「これからあの川を通るんだけど…見たらどうなるんだっけ?」


「魚になる!!」


「そう!てことで、目をつぶって渡って行くよ〜」

と言われグッと目をつぶる。

ソメイが私の手を優しくゆっくりと持ち


「歩くよ」

と声をかけ1歩づつ進んで行った。1歩、また1歩と進んで行くと徐々に川の音が大きく聞こえてきた。

大きくなればなるほど


「(目を空けたら、魚になっちゃうんだ…!)」

と心臓バクバクで緊張しながら渡っていると

唐突に前から


「え…ちょ、体ガッチガチだよ?もっとリラックスして〜…」

と困惑した様なソメイの声が聞こえ少しだけ申し訳なくなる。

するとソメイが


「深呼吸とかしてみたら?少しは落ち着くかもよ?」

と言った。私はそれに従いゆっくりと深呼吸をする。

しばらくすると少しだけ落ち着いてきた。

ほっとした様にソメイが


「もうちょっとで終わるから我慢してね 」

と優しく声をかけてくれた。


少しして音が遠くから聞こえる様になり


「よし!もう開けていいよ!」

と言われ目を開けると、シダレと来た花畑が広がっていて


「ここはもうシダレと来たよ?」

と聞くと


「ここじゃなくてもう少し先にある場所だよ!」

と返ってきた。少し驚きつつ「どこなんだろう?」とワクワクしていると、ソメイが少し上機嫌になって


「楽しみにしててねっ!」

と言いまた、2人で歩き出した。

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