これはまだ僕が小学六年生の時のお話
ある日、夜中に僕は公園のベンチに座ってボーッとしていた。
僕はふと頭に思い浮かんだ好きなゲーム実況者のOPを鼻歌で歌う。とても小さな小さな声で。
○○の主役は我々だ!という僕に勇気をくれた大好きな実況者グループのOPだ。
「〜♪」
その時に、遠くから酔っ払った男性とそれを支えている4、5人の男性達が見えた。
???「今日はたくさん飲んだなぁ//」
???「今日は車用意出来ひんかったから歩きや…しんど…」
僕は気にせず好きなゲーム実況者のOPを小さな声で歌った。
そして男性達が座っている僕の前を通ろうとした時、
「君、主役は我々だって好き//?」
と、急に1人のその酔っ払った男性が立ち止まって聞いてきた。
酒のせいか、上手く呂律が回っていなかったが。
「へ…?」
???「ちょ!何言ってんねん!不審者やと思われんぞ!」
???「この子が知るはずないやん!まだこんな幼いねんで!」
僕の鼻歌が聞こえたのか、低音ボイスの酔っ払い男性がちょっと嬉しそうに僕に聞いてきた。
他の男性達には聞こえていないようだ。
まぁとても小さな声だったし聞こえないのが当たり前なんだけど…。
だが、酔っ払いの男性には聞こえていたらしい。そうじゃないと我々だ好きってバレないしね…
「んで、どうなんだ//?」
酒で顔を赤くした低音ボイスの男性が僕の顔を覗きこんで聞いてきた。
???「グルちゃんいい加減帰ろ帰ろ!」
???「グルさん不審者やと思われるって!」
他の男性達は急いで酔っ払いの男性を無理やり帰らそうとする。
僕はチャンスだと思った。
一生に二度とない、自分の気持ちを伝えられるチャンスだと。
「好きですよ。僕の尊敬してる人達です。」
僕は流れるように言った。
いや、伝えたのだ。
「そうかそうかぁ!ありがとなぁ//
これからも活動頑張るからよろしくなぁ//」
とても嬉しそうに言い張る酔っ払った男性。
???「ちょ!活動って!!俺ら我々だの本人じゃないからね!うん!」
???「そうそう!俺らも我々だのファンやねん!な!」
酔っ払い男性に張本人だとバラされそうになり、焦って必死に誤魔化す男性達。
???「…」
嬉しかったのか、女性にキスされたようなボーッとした顔をしている背の低い男性。
僕は既に分かっていますよ。貴方達が『○○の主役は我々だ!』の、そして、僕に勇気を与えてくれた張本人だと。
「皆さん我々だのファンなんですね!僕もなんですよ!」
と、僕は分かっていながらもわざとらしく笑顔で言った。
そして、僕はいつもの景色と変わらないはずの帰り道が迎え入れてくれたパーティー場に思えたのだ。
これが僕が顔出しをしていないゲーム実況者の素顔を見た夜のお話。
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僕は恩人の素顔を知っている。
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コメント
9件
⚠捏造⚠
面白い!びっくりした
実話ですか?