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朝は、容赦なく来る。
昨日どれだけ泣いても、
悩んでも、
考えても、
朝は来る。
琉叶は、重たい体を起こした。
準備をして、制服に着替えて、家を出る。
現実に戻る時間。
学校に行けば、日常がある。
友達がいる。
授業がある。
笑い声がある。
そして、洸がいる。
教室に入る。
洸は、そこにいた。
いつも通り。
変わらない姿。
でも、琉叶の心だけが違っていた。
前みたいに、期待しない。
前みたいに、意味を探さない。
前みたいに、見つめない。
心の中で、一線を引いていた。
――今日は、何もしない。
――期待しない。
――決断もしない。
ただ、現実として生きる。
それだけ。
休み時間。
洸は普通に話しかけてくる。
普通に笑う。
普通に優しい。
琉叶も、普通に返す。
普通の会話。
普通の関係。
周りから見たら、何も変わらない。
でも、心の中では違う。
期待しない。
深読みしない。
希望を持たない。
その線を、必死で守っていた。
放課後。
また一日が終わる。
何も起きない一日。
でも、琉叶の中では、確実に変化が起きていた。
「待つだけの自分」から、少しずつ、離れ始めていた。