📩 相談
高校二年生・仮名:Kさん
私は小さい頃から、見た目のことでからかわれたり、
「なんか怖い」とか「不機嫌そう」とか言われてきました。
話す前からイメージを決められて、
笑っても「無理してるでしょ」とか言われると、
もう、どうしていいかわかりません。
仲良くなっても、「最初は性格悪そうって思ってた」って言われて、
結局、外見って全部なんだなって思ってしまいます。
遥
「……めっちゃ、わかる」
「“性格悪そう”って、なんで知らないやつに言われなきゃいけねーんだよ」
「お前の想像でオレの中身まで決めんな、って感じ」
蓮司
「“無理して笑ってる”って、それ
“勝手に傷つけといて、治そうとする努力まで否定する”って話だよね」
「優しさじゃなくて、“無神経の肯定”ってやつ」
日下部
「Kさんがどう見られてるか、じゃなくて、
“どう見たい人たちがいるか”ってことなんだと思う」
「“怖そう”とか“冷たそう”って、
自分が踏み込む勇気がないだけなのに、相手のせいにしてる」
遥
「てか、“最初は性格悪そうって思ってた”って、
仲良くなったあとに言うやつ、
ぜんっぜん優しくないからな」
蓮司
「ああ、それって“自分は思い込みを乗り越えた”って
自慢したいだけだよね」
「実は、“最初に傷つけたこと”を軽くしてるだけ」
日下部
「……Kさんが“どうしていいかわからない”って言ってるのが、つらい」
「だって、Kさんが悪いこと、ひとつもしてない」
「ただ、その場の“空気の都合”に形を合わせさせられてるだけ」
遥
「でも、ほんとはKさんみたいに“自分でなんとかしよう”って思ってる人のほうが、
ちゃんと優しいんだよ」
「オレは、そっちを信じたい」
蓮司
「“外見って全部なんだな”って思うの、
わりと正しいと思う。
ただ、それは“全部だと思ってる人が多い世界”ってだけで、
Kさんがそうなってるわけじゃない」
日下部
「……だから、その“違和感”を持ってるKさん自身は、
そのままでいてほしい」
「空気に合わせる必要なんて、ほんとはどこにもない」
遥
「Kさんが感じた“しんどさ”を、
“思い込みのせいだよ”とかって簡単に言いたくねぇ」
「ちゃんと痛いものは、痛いって受け止めていいから」
🗝 三人からのことば
蓮司:
「“外見で決める人たち”の言葉に、
本当の意味なんてないよ。
勝手なイメージで傷つけられたなら、
“その勝手さ”を、疑ってほしい」
日下部:
「“見た目の印象”が先に来る世界で、
ちゃんと苦しさを感じているあなたは、
ちゃんと“見る側じゃない”人です。
……それ、ずっと大切にしていい感覚です」
遥:
「Kさんが思った“わかってくれないかも”って不安、
オレたちはちゃんと受け取ったよ。
“最初のイメージ”なんかで切り捨てない。
だから……もう、ここにはいていい」