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警視庁
警察は、渋谷駅での無差別殺人事件に全精力を注いで捜査していた。しかし、現場から指紋などを検出しても犯人特定への手がかりは何も見つからなかった。そんな中、警察は現場にあった死体の解剖を行った。すると、田中の脳中から謎の細胞が検出されたのだ。警察はその細胞をライブラリーに統合したが、警察の資料ライブラリーにその細胞はなかった。警察はその細胞を国立研究所に提示する。
国立研究所から細胞についての報告書が警視庁に送られてくる。報告書は警視総監の柳内の元に届いていた。
「これは……どういうことだ……?」
柳内は首を傾げ机越しに国立研究所の研究者を見る。
「はい……。結果から申しますと……この細胞の情報やライブラリーは国立研究所にはありませんでした……。他にも、米国やロシア、イギリスの国立研究所の資料ライブラリーに問い合わせましたが……どこにも情報はありませんでした。」
「つまり……この細胞は新種ってことか?」
研究者は頷き、話を続ける。
「はい。その可能性が高いです。しかし……この細胞は普通の細胞とは違うとわかりました。」
柳内は研究者の言葉に眉を顰め彼の顔を見つめる。
「と言うと……?」
「この細胞……細胞組織ひとひとつに自律神経を有しているんです……細胞を切ったり砕いたりしても……元の形にすぐ修復するんです。」
「そんなこと……生物にできるのか……?」
「再生能力が高い生物は地球上にも存在します。しかし……細胞のひとひとつに自律神経が通っているケースは今回が初めてです……」
柳内は資料を机に置く。
「ではなぜ……こんな細胞が田中巡査の脳中から……?」
「田中巡査は……頭を刺されて死亡したのですよね……?」
「あぁ。その通りだ。」
「もしかしたら……この細胞の持ち主である生き物に殺害されたのかも知れません……」
柳内は少し目を見開く。
「そんなわけ……」
「山内巡査と田中巡査はあの時、発砲したとも報告を受けました。しかし、現場で弾を外した形跡はありませんでした。つまり、系12発の拳銃弾は全弾とも当てたたずです。なのに……なぜあの現場に犯人はいなかったのですか……?拳銃弾を12発ともまともに食らって……生きていられる生物は日本国内にはいないはずですて。」
「……この件については……私も分からない……」
研究者は柳内の前に立つ。
「警視総監……もしや、この東京都内に……なにか人間に似た”人間ではないもの”が混じっているかも知れません……」
「人間ではないもの……?」
「はい。おそらく……人間より遥かに生命力の高い生物です……。拳銃弾が効かなかったという事は……警察だけでは……対処しきれない可能性が……」
「自衛隊でも出せと言うのか……?」
「場合にやってはそれも有り得るかも知れません。もしかしたら…自衛隊でないと対処しようがないかも知れません。しかし、いつ人が殺されるか分からない状況です。一刻も早く対応策をねらなければならないかと……」
柳内は研究者の説得に納得する。東京に殺人生物が潜んでいる。そのことが柳内の心境を大きく変えていた。
「わかった……。一刻も早く……その生物を殺そう……」