テラーノベル
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優子は、手持ち無沙汰に、リモコンのチャンネルボタンを適当に押していると、どこの民放も、バラエティ番組ばかりオンエアされている。
東京に戻ってくる途中、ラジオから流れていたニュースが気になり、彼女はチャンネルをJHKに合わせた。
画面には美しい女性が、髪を夜会巻きにさせ、ネイビーブルーのドレスを着てピアノを演奏している姿が映し出されている。
男性アナウンサーが、ニュースを読み上げた後、闇バイトの首謀者、島野レナの経歴を淡々と伝えていた。
(こんなに綺麗で、しかもピアニストでしょ……? そんな人が、あの男が関わってた闇バイトの黒幕だなんて……)
優子は、テレビ画面を見ながら、人は見かけによらないものだな、とつくづく思う。
バスルームから扉の開く音が聞こえ、拓人が髪をタオルドライしながらリビングへ入ってきた。
「ニュース…………見てたのか」
「うん。気になっちゃって……」
濡れた毛先から、雫が伝い落ちそうな拓人の面差しは、男特有の艶を解き放ち、彼女は、妙にソワソワしてしまって落ち着かない。
「ひとまず、シャワー浴びてこれば?」
男が優子にバスルームに行くように促すと、彼女は、顔が紅潮するのを堪えながら、着替えとバスタオルを持ってリビングを出ていく。
疲労が蓄積しているせいか、優子は素早く頭と身体を洗うと、リビングへ戻った。
「はやっ! もうシャワー浴びてきたのか?」
「うん。慣れない長旅で、疲れちゃったし……早く寝たいって思っちゃって……」
拓人は、テレビの音声を聴きながら、スマートフォンを触っている。
「…………よし、これでOK」
自身のスマートフォンを、ローテーブルの上に放ると、あくびをする男。
「なぁ。まだ時間が早いけどさ、そろそろ寝ようぜ。あんたも顔が疲れ切ってるよ?」
壁に掛かっている時計を見ると、まだ二十二時前。
「うん。私もさすがに眠いわ」
「かなり早いが、そろそろ寝るか」
優子は拓人に手を引かれながら、寝室へ入っていった。
コメント
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さぁ、これからどうなって行くのかな?