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仕事が一通り終わった時、または既に赤に染まっていた。赤、はあまり好きじゃない。だが、職場の窓から見える景色は綺麗だ。窓のフレームの中に描かれた美しい絵画。それを眺めていると自分がちっぽけに思えた。
凝り固まった肩をほぐしながら帰ろうかと思っだが、昼からロロを見かけていない。
「ルーニオさん、ロロどこに行ったか知ってますか?まさか、またサボった⁉︎」
「シクロロ君?ああ、なんだか急用が入ったって言って走ったいっちゃたわよ。」
「急用って?」
「さあ?電話が入ったみたいだけど、」
ロロは最近忙しそうだった。でも、何をしているのかは教えてくれない。どうしてなんだろう、元々ロロは隠し事が多い。夜帰ってこない日もたまにある。全くだ!
携帯を出してロロに電話をかけた。いつもは三コールで出るが、なぜか出ない。手汗が出てきた。黒い渦が心臓を強く握る。
「もしもし?」
身体が凍ったように動かなかった。
誰だ?知らない女性の声だった。
「・・・誰、ですか?ロロは・・・」
「ああ、シクロロね!ごめんなさいねー。ちょっと用事あってきてもらったんだけど、話してたら寝ちゃったの!待ってて〜叩き起こしてくるわ!」
一気に言われて一瞬目が回った。とにかく無事らしい。長い吐息と共に黒い渦が出ていった。
「いえ、起こさなくていいですよ。迎え行きます。」
疲れて寝ている彼をどうにも起こす気にはなれなかった。すると、電話の先から大きな物音が聞こえた。
ガタガタッバタバタッ
「ルツ⁉︎ごめん寝てた‼︎」
ロロの声だった。かなり焦っていたらしく、息を荒げていた。
「おはようロロ。迎えに行こうか?」
「いや、いいよ。今から帰る!」
「今の人誰?」
なんだか嫌だった。ロロが自分が知らない女性と2人で会っている事が、さっきから心臓が耳にあるみたいだった。はぐらかされたらどうしよう。怖い。
「ああ、この前出張で契約した会社あったでしょ?そこの人。取り締まり役だったらしいんだけど、契約した時いなかったから個人的にまだ契約内容確認したいって言われたんだ。」
「そしたら意外に気があって話し込んじゃった。」
ロロの声はいつも通りだった。確かにあの会社の取り締まり役の人は代理だったな。
無意識に握っていた手を開いた。
「そっか、もう暗くなるから気をつけて帰ってきてね。ご飯作って待ってるね。」
「はあい!ルツも気をつけてね!」