テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#かごめかごめ
桜城優衣🌸
184
#恋愛
ばたっちゅ
3,576
#塩レモン
comi
2,401
804
第2章 戦乱編
風が吹く。
ぴちゅ……ぴちゅ……
静かな鳥のさえずりが耳に届く。
木漏れ日が頬を照らした。
「……はっ!」
レインは勢いよく身体を起こした。
「こ、ここは……?」
視界いっぱいに広がる青空。
森の香り。
柔らかな草の感触。
先ほどまでいた戦場とは、まるで別世界だった。
耳を澄ませば、鳥の鳴き声に混じって、子どもたちの笑い声が聞こえてくる。
「ねぇ、おじさん!」
振り返ると、小さな子どもが三人、興味津々な表情でこちらを見ていた。
「さっきまで、ずっとうなされてたよ?」
「大丈夫?」
レインは慌てて立ち上がり、苦笑する。
「ご、ごめんね。」
「変なところを見せてしまった。」
軽く服についた土を払う。
「ところで……」
「ここは一体どこなんだい?」
子どもたちは顔を見合わせた。
「どこ……?」
「うーん。」
「難しい……。」
レインは苦笑した。
「あぁ、ごめん。」
「少し聞き方が悪かったかな。」
すると、一番後ろにいた眼鏡をかけた少年が、おずおずと口を開いた。
「ここは……」
「オウト。」
「オウト?」
レインは一瞬考え込む。
そして、はっと目を見開いた。
「そうか!」
「ここは王都なんだな!」
安堵の息をつく。
(助かった……。)
(すぐ城へ向かわなければ。)
アルドの魔法。
突然の転移。
何が起きたのか分からない。
だが、一刻も早く団長たちへ報告しなければ。
「ありがとう!」
子どもたちへ手を振ると、レインは全力で走り出した。
公園を飛び出す。
石畳の道を駆ける。
「団長……!」
「副団長!」
「ガルド!」
「セラ!」
「ユナ!」
「みんな無事でいてくれ……!」
焦る気持ちが足をさらに速める。
しかし。
公園を抜けた瞬間。
レインは足を止めた。
「……え?」
目の前の景色が、おかしかった。
砂。
見渡す限りの砂。
街並みは確かに王都だった。
だが。
白い石造りではない。
赤茶けた建物。
乾ききった空気。
肌を焼くような熱風。
遠くでは砂煙が舞い上がっている。
「何だ……ここは……」
レインの額から汗が流れる。
これは、自分の知る王都ではない。
戸惑いながら歩いていると、一人の老婆が荷車を押していた。
「す、すみません!」
老婆が振り向く。
「なんじゃ?」
レインは息を整えながら尋ねる。
「ここは……王都ですよね?」
老婆は不思議そうな顔をした。
「そうじゃよ。」
「ここは王都。」
レインは安堵しかける。
しかし、老婆の次の一言が、その希望を打ち砕いた。
「王都デュラハンじゃ。」
「…………。」
時間が止まる。
「デュ……ラハン?」
老婆は頷く。
「砂の国デュラハン。」
「蟻の国とも呼ばれとる。」
「知らんのかい?」
レインの顔から血の気が引いていく。
(デュラハン……。)
(馬鹿な。)
その国名は知っている。
白銀騎士団でも何度も耳にした。
王国と長年対立を続ける敵国。
戦争を繰り返してきた大国。
つまり。
ここは。
自分が守るべき王国ではない。
敵国だった。
レインは静かに拳を握る。
(アルド……。)
(貴様、一体どこへ飛ばした。)
熱風が吹き抜ける。
その風は、新たな戦乱の始まりを告げるかのようだった。
コメント
1件
おっきな展開きたね…!😳💦 レインが目覚めたら見慣れない場所で、まさかの敵国デュラハンに転移って、完全にこれからの戦乱編の始まり感じる…!砂の国の描写が生々しくて、一気に雰囲気変わったのすごく伝わったよ。しかもアルドの魔法が鍵っぽいし、これからどうなるのか気になりすぎる…!続きが待ちきれないよ〜!📖✨