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#恋愛
ばたっちゅ
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剣と剣がぶつかる。
鋼が砕ける音が、乾いた大地へ響き渡る。
「うおおおおおっ!!」
兵士達が雄叫びを上げる。
砂煙が舞う。
倒れた者を踏み越え、また新たな兵が前へ出る。
ここは砂の国、デュラハン。
そして、王国ロストウィルム。
二つの大国の国境。
その中間地帯で、両軍は激しく激突していた。
槍が突き出される。
剣が振り下ろされる。
魔法が空を裂き、爆炎が兵士を飲み込む。
叫び声。
悲鳴。
怒号。
戦場には、生と死だけが存在していた。
⸻
この世界には、多くの国が存在する。
砂の国。
雪原の国。
機械国家。
華の国。
侍の国。
忍の国。
その他にも数え切れないほどの国家があり、それぞれが領土を巡って争い続けていた。
理由は至って単純。
世界の頂点に立つこと。
全ての国を従え、唯一の王国となること。
幼稚とも言える野望。
だが、その野望のために何百万という命が散っていった。
戦争は日常。
それが、この世界の常識だった。
そして、ある日。
歴史を大きく動かす報せが届く。
⸻
「テッード様、ご報告があります。」
王座の間。
玉座へ腰掛ける男が静かに目を開く。
砂の国デュラハン国王。
テッード。
鋭い眼光。
獣のような威圧感。
その男は低く言った。
「申してみろ。」
兵士は膝をつく。
「侍の国と忍の国が、同盟ではなく正式に合併するとのことです。」
一瞬。
部屋が静まり返る。
テッードは目を閉じた。
「……くだらぬ。」
そう呟いたあと、
口元だけがゆっくりと歪んだ。
「いや。」
「これは好都合だ。」
兵士が顔を上げる。
「好都合……ですか?」
テッードは立ち上がる。
「二つの国が一つになる。」
「新たな力。」
「未知の戦術。」
「未知の兵。」
「未知の王。」
笑みが深くなる。
「私はそういう相手を待っていた。」
「退屈だったのだ。」
「では……。」
王はゆっくりと剣を手に取る。
「奴らの初陣。」
「この私が相手をしてやろう。」
兵士は目を見開く。
「ま、まさか……王自ら出陣されるのですか!?」
「我が軍の状況は?」
「昨日までの戦で負傷者が多く……動ける兵は限られています。」
「だからこそだ。」
テッードは迷いなく答えた。
「私の兵を、私の都合で無駄死にさせる気はない。」
そして大きく叫ぶ。
「兵長!」
「はっ!!」
「動ける兵だけを集めろ。」
「傷ついた者には休養を命じる。」
「これは命令だ。」
「急げ。」
「はっ!!」
兵長は駆け出していった。
⸻
数時間後。
王城の門前には約三千の兵士が整列していた。
誰一人として私語はない。
その最前列。
黒馬に跨るテッード。
豪華な王衣ではない。
全身を黒鉄の鎧で包み、
王ではなく、一人の戦士として立っていた。
彼は兵士達を見渡す。
「よく集まってくれた。」
静かな声。
「今日ここへ来られなかった者達は、不運だった。」
「いや。」
「君達が羨ましいだろう。」
兵士達が顔を上げる。
テッードは笑った。
「新たな国。」
「未知なる敵。」
「これほど胸が躍る戦はない。」
その笑みは、
戦を楽しむ狂気そのものだった。
「では。」
王は剣を天へ掲げる。
ゆっくりと目を閉じる。
そして。
「進軍開始。」
号令と同時に、
三千の軍勢が一斉に動き出した。
砂煙が空を覆う。
この戦いこそが。
後に何十年もの因縁として語り継がれることになる。
砂の国デュラハン。
王国ロストウィルム。
両国の長き戦争の始まりであった。
コメント
1件
読み終わりました! 戦場の描写がすごく生々しくて、砂煙や鋼の音が耳に残るようでした。特にテッード王の「退屈だった」という台詞にゾクッとしましたね…。兵を無駄死にさせないと言いつつ、戦を心から楽しんでいる狂気が伝わってきて、このキャラの奧行きがすごく好きです。新しい国との戦い、これからどう転ぶのか気になりすぎます!