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元彼との馴れ初めは、たまたま困っていた時に優しくされたことがきっかけだった。
「大丈夫?」
「あ、大丈夫です。ちょっと落し物して……」
「落し物?なに?」
「……定期を」
「そっか、ちなみに駅員に落し物で届いてるか聞いた?」
「あ」
「じゃあ、まずそこからだな」
駅構内、その日自分が歩いた道を必死に辿りながら、俯き歩いていた時。そんな私の様子をおかしいと思った元彼が声を掛けてくれた。
横を通り過ぎていく人間、みんながみんな私の困っている様子を見て見ぬ振りをする中、あの人だけが立ち止まってくれた。笑顔を掛けてくれた。
たったそれだけのことなのに、私が恋に落ちるのは簡単だった。
あの人の色に染まっていく自分は嫌いじゃなかった。大人っぽく、女性らしく、きれいに。だけど、本来の自分からかけ離れていく度に、違和感があった。本当の私を、この人は見てくれているのだろうか。
違和感****************************
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