テラーノベル
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ワンダーフォーゲルよ、聞いてくれ。
どこからか来た渡り鳥よ。
耳などなくてもいい。
言葉などなくてもいい。
ただ、羽が疲れて休めたいと思っていたのなら、ここで休んでいって欲しい。
僕は果たして人々を奈落へ堕とすこの海を越えられるだろうか?
彼らは馬鹿だと叫ぶだろう。
だが、僕はできない話でもないと思っている。
だって、彼女はやり遂げたのだから。
ああ、君は不可能だろうね。
僕も羽があったら不可能だったろう。
とはいえ僕に羽はない。
哀しきことだ。
しかし同時に嬉しきことだ。
羽があったら、僕はきっとどこかの大空へ飛んでいってしまっただろう。
嗚呼、ワンダーフォーゲルよ。
もう行ってしまうのか。
良ければ羽を譲って欲しかった。
でもしょうがない。君は次の大陸へ進まなければいけないからね。
じゃあ、僕も飛び立つとしようか。
もう会えないことを願うよ。
「馬鹿野郎!!早まるんじゃねぇ!!」
がびょ
1,020
#ファンタジー
しち
34
羽海汐遠
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夕鳴
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コメント
1件
うわあ、めっちゃ詩的で切ない……「飛ぶ」ってタイトルが最後の叫びでガラッと変わって、ゾッとした。羽がなくてよかったって呟くところがもう本当に心臓掴まれる。麟兎さんの言葉選び、すごく好きです。まだ第1話だけど、この重さと美しさに続きが気になる。飛び立つ前に誰かに止められてほしいなって思ったよ。