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高校二年生・仮名:Rさん(※生物学的には男子)
“男らしさ”ってなんなのかわかりません。
自分はずっと声が高くて、運動も苦手で、友達といても「おまえって女子っぽいよな」って笑われます。
それが嫌ってわけじゃないけど……でも、自分が“男”って呼ばれるたびに、どこか違う気がして、吐きそうになります。
「女になりたい」とも違う。
「どっちでもない」って言ったら、もっと笑われる。
正直、もうどう生きていけばいいのか、よくわかりません。
蓮司
「“どっちでもない”って言ったら笑われる、か……
じゃあさ、“笑う側”に合わせて自分を曲げるってのは、ほんとに得なのかな」
「“男っぽさ”って、結局“誰かが決めた記号”だよ。
それに当てはまらなかったからって、何? あんたが間違ってるわけじゃないじゃん」
遥
「……でもさ、それ、言われるほうは……本気で傷つくんだよ」
「オレも“女っぽい”って、ずっと言われてきた。
勝手に笑われて、勝手に決められて……こっちはずっと、何が正解なのかもわかんねえまま、黙ってんのに」
(唇をかみしめて、手元に視線を落とす)
日下部
「……“男”とか“女”とかって、
自分を守るために“他人が貼るシール”みたいなもんだと思う。
でも、それが“はがせない”とき、心がすり減っていく」
「……Rさん、“それでも今、生きてる”って、すごいことだと思うよ」
蓮司
「ていうか、そもそも“性別”って、“他人に伝えるための属性”でしょ?
自分でしっくり来てないなら、それを口にしたってよくない?」
「“吐きそう”って思うくらいの違和感を抱えながら、
黙って“男”って呼ばれ続けるの、拷問だよ。それ」
遥
「……でも、どこ行っても、当たり前みたいに“男”とか“女”とか、言われるじゃん……
“違う”って言うの、めちゃくちゃ怖い。
オレ、怖くて何も言えなかったもん。ずっと」
日下部
「……怖くていいと思う。
“怖い”って、自分を大事にしてる証拠だから」
(静かに、けれど確信を持って)
「“どう生きていけばいいか”って書いてたけど、
“どう”じゃなくて、“どんな痛みを抱えてでも生きている”ってことのほうが、ずっと価値がある」
🗝三人からのことば
蓮司:
「“性別”って、他人の目線で縫われる服みたいなもん。
苦しいなら脱いでいい。寒けりゃ、別の布を巻けばいいんだよ」
日下部:
「“これでいい”って言えない日々を生きているあなたに、
ちゃんと“そのまま”で会いたいと思える人は、きっといる」
遥:
「……誰にも言えなかった気持ち、わかる。
“わかってもらえない”って思ってるときほど、
ほんとは、誰かに気づいてほしいんだよな。……オレも、ずっとそうだった」