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花月夜れん
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柴田
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#バイオハザード
そまもんた@ペア画募集
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空気を裂きながら、俺は空を突き進んでいく。風が心地良い。思いっきり魔術を放ちたい欲を我慢し、俺はダンジョンを探す。
おっと、一応カグアに連絡を取っておくとするか。一度木の上に着地し、周囲の安全を確認する。あらかじめ、互いの魔力を流し合うことで可能になる『念話』だ。こめかみのあたりに指を当てて、俺は強く念じる。
《おーい、カグア。聞こえてるかー?》
《へい! 通信状態も良好ですぜ! 今は書庫で魔術書を読んでます。まだ誰も来る気配はありやせんぜ!》
《よし、大丈夫そうだな! 何かあったら、連絡してくれ》
《はいな! それで? もうダンジョンを見つけたんですかい?》
《いや、まだだ》
俺は再び空へと舞い上がり、周囲を見回す。見渡す限りの木々を見て、1つため息をついた。
《勢いで飛び出してみたはよかったが、どこに何があるのか、まるで見当もつかない》
《行き当たりばったりっすね〜》
《もう少しわかりやすいヒントはないものか⋯⋯》
そう話していると、遠くから何か音が聞こえた。
キン! ガキン! ビィィィン!
これは⋯⋯戦闘音だ!
俺は嬉しくなって、音のした方へと飛び出した。
《じゃ、またあとでな! カグア!》
《へ、へい! お気をつけて! アステル様!》
『念話』をブツリと切って、先を急ぐ。そこには、人の入れそうな大きさのトンネルがあった。おそらく、あれがダンジョンの入り口だろう。そして、その入り口の前では、1人の少女がオーガと戦っていた。
「おおっ、冒険者か?」
持っている武器は短弓のみ。人間より、遥かに図体の大きい、筋力のあるオーガをどうやって倒すのだろうか。
俺は近くの岩陰に潜み、彼女の戦いを見物することにした。
オーガが棍棒を振り回し、少女を狙って打ちつける。少女はそれを軽快によけ、高く跳躍する。地面に打ちつけられる棍棒は、凄まじい破壊力だった。土が割れ、円形に凹んでいる。
高く舞い上がった少女は、空中で短弓に矢をつがえて、額に向けて撃った。
なるほど、図体の大きいオーガは、弓使いにとってはいい的になるのか。
放った矢は、見事に脳天に命中し、音を立ててオーガが崩れ落ちる。
「フフン! オーガなんて、あたしの敵じゃないのよさ!」
なるほど、中々に良い戦いだった。だが、俺が気になっているのは、弓の技術よりも彼女の強さである。歳はクラリスと同じくらいだろうが、あれは例外だ。武器種は違えど、彼女からはクラリスと同じくらいの強さを感じた。何か秘密でもあるのか?
「で? さっきから隠れて見ているのは誰!?」
ヤベッ、気づかれたか!?
だいぶ離れていたのに、見つかるとは⋯⋯。拳法や弓術、刀術などを扱う者は、気配に敏感だと聞くしな。
「返事無し⋯⋯つまりは敵、ね」
少女がこちらへ向かって走り出す。今の姿のまま、接触してはいけない気がする。公爵家の子供だと知られたら、面倒なことになるだろう。
えーと、えーと⋯⋯。
「ま、待ってくれ! えっと、俺の名前は、アルカス。一応、最近入った冒険者⋯⋯です」
「っ!」
俺は慌てて岩陰から出て、そう名乗る。危なかった。
カグアの『変化』を俺も見様見真似でやってみたが、上手くいったようだ。
俺はすぐに、自分とルカ兄さんの姿を掛け合わせたような、少年の姿へと変化した。髪は間を取って茶色に、瞳は薄い茶色。服装まで作り変える余裕はなかったので、サイズを変えただけになってしまったが。見た目は彼女と同年代くらいに見えるはずだ。
「あ、怪しいやつじゃなければ、それでいいのよさ。あたしはエナ。冒険者階級はBで、見ての通り、弓使いね」
「へぇ、エナさんは1人でここに?」
「そうなのよさ。これからこのダンジョンを攻略するのね」
なるほど、やはりここはダンジョンの入り口だったようだ。俺は嬉々として、中に入ろうとする。
「ちょっと待つのよさ! まさか、駆け出しが1人で挑戦するつもり!?」
「いや、俺は魔術師だから、大丈夫だよ」
そもそも俺は、ここへ禁術の実験をするために来ている。あまり邪魔はされたくないのだが⋯⋯。
「いーや、ダメなのよさ!このダンジョンの協会指定階級はC。駆け出しのお前じゃ、あっという間に食べられてお終いね」
「いや、だから大丈夫⋯⋯」
「ここは、あたしが、責任を持ってサポートしてやるのよさ!」
有無を言わさぬこの迫力。どことなくクラリスに似ている。
⋯⋯せっかく親切にしてくれているんだし、仕方ないか。どこかで適当にはぐれたフリでもしておけば⋯⋯。
「そこまで言うなら、お願いするよ」
「もちろんなのよさ! 大船に乗ったつもりで、任せてほしいわけ!」
ため息をつきながら、ついて行く俺を見て、エナは嬉しそうに歩き出す。あぁ、俺が貴族の服を着ているから、お礼をたんまりと貰えるとでも思ったのだろうか。俺は書庫から飛び出して来たので、金貨1枚すら持ってきていない。一応、釘を刺しておこう。
「生憎だが、俺は礼ができるようなものなんて、持っていないぞ」
「? そんなの関係ないね。あたし、アルカスからお金を取る気はないから、安心するのよさ!」
本当だろうか。2人でダンジョンの中を進みながら、俺は前を進むエナを訝しげに見る。なんだかさっきから、表情が緩んでいる。やっぱり、何か企んでいるのでは⋯⋯。
(キタァーーーーー! 遂にあたしの目の前に現れたのよさ! イケメンが! 歳も近そうだし、このまま恩を売って、お付き合いルートまっしぐらを狙うのよ! エナ!)
⋯⋯何だろうか。ものすごく邪なことを考えている気がする。冒険者の中には、野蛮な者もいるというし⋯⋯まぁ、危なくなったら、全力ダッシュで逃げるとしようか。
コメント
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第6話読み終わったわ!エナのキャラめっちゃいいね。戦闘シーンも弓vsオーガで見応えあったし、最後の「キタァーーーーー!」からの邪な思考ルート、思わず笑ったわw 主人公が変身してるのも気になるし、この後エナにバレずに禁術の実験できるのかハラハラする。続き楽しみにしてる🔥