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高校一年生・仮名:Yさん(※性別未記載)
生まれたときに「女の子」として育てられてきました。でも、自分の中ではずっと違和感があって……。
「男になりたい」ってわけでもないんですけど、制服を着るたび、自分の身体を見るたび、「これじゃない」って苦しくなります。
言葉にできないし、誰にも言えない。
本当の自分がどこにいるのかも、わからなくなってきました。
蓮司
「“男になりたいわけでもない”ってところ、すごく大事だと思う」
「みんな、“男”か“女”か、どっちか選ばないといけないみたいな顔してるけど……そんな単純なもんじゃない。
少なくとも、“自分の皮膚が自分のものじゃない”って感じ、わかる気がする」
遥
「……それ、オレもずっと思ってた」
(少し息を吸ってから)
「制服も、声も、鏡も、……“自分を着せられてる”みたいだった。
そういうの、誰にも説明できないんだよな。……言ったところで笑われるし、余計苦しくなるし」
日下部
「……誰にも言えない、って書いてたよね。
それ、“言ってない”んじゃなくて、“言える相手がいない”ってことなんだと思う」
(間)
「“本当の自分”って、わからなくて当然。
だって、まだ誰にも『そのままでいいよ』って言われてないんだろ」
蓮司
「というか、“言葉にできないから存在しない”わけじゃない。
言語が追いつかない感覚なんて、山ほどある。
“わからない”って叫ぶこと自体が、すでに“在る”ってことだよ」
遥
「……わかんないままで、いちゃダメなのかな」
「オレも、自分が何なのか、今でもわかんないけど……
でも、違和感にフタしてたときより、今のほうが、ちょっとだけマシになった気がする」
(視線を落とし、唇を引き結ぶ)
蓮司
「“これじゃない”って思うたびに、自分を削ってたら、いつか全部なくなっちゃう。
そうなる前に、逃げていいんだよ。逃げるって、負けじゃないから」
日下部
「……“わからない”って言葉が、いちばん誠実だと思う。
わからないままの自分に、誰かが手を伸ばしてくれたら──
きっとそのとき、少しだけ、痛みが減る」
🗝三人からのことば
蓮司:
「“言葉にならない違和感”って、誰にも奪えないあなただけの感覚。
形がないからこそ、大事にしていいと思う」
日下部:
「“わからない”まま立ってるあなたを、責める人はいない。
そのままでも、ちゃんと息をしてていい」
遥:
「……制服が苦しかった気持ち、わかる。
“これじゃない”って思っても、生きてていい。
無理に決めなくても、ちゃんと、あなたはあなたで、ここにいるから」
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