【能力者名】千代子令子
【能力】 腐れ外道とチョコレゐ卜
《擬態型》
【能力】 チョコレートを食べると
まわりにいる人間のスマホの
履歴を見ることができる能力。
【以下、細菌達の記録】
《お昼休み、米津高校の教室にて》
米津高校一年B組で、妖怪沢どろり、
恋原表裏一体、
海街心蔵、酒池肉林、白雪毒林檎
そして今回の話の主人公である千代子令子が
一年B組の教室でお弁当を食べていた。
「実は、僕は《擬態型》の能力者だったんだ。」
お昼休み、唐揚げ弁当を食べながらどろりが
言った。
昼休みの日、お弁当を食べながら、千代子令子はポロッとチョコを落とした。
(どういう…..どういうつもりだ…..?
何故今、このタイミングで、どろりは
自分の能力を明かそうとしているんだ???)
千代子はどろりの意図が読めなかった。
千代子はどろりのことを何か凶悪な能力を
持つ、《擬態型》の危険な能力者だと
推察していた。
それは、千代子が、どろりと同じように
《擬態型》の能力者だからである。
千代子の能力は《腐れ外道とチョコレゐ卜》。
能力はチョコをかじることで、 周りの人間のスマホの履歴を覗くことが 出来る能力である。
千代子はこれを使って周りの人間のスマホの履歴を朝のニュースやYoutube やなんかのまとめサイトを見る感覚で見ることができた。
千代子はこの能力をどろりには使わなかった。
なぜか?
それは千代子令子はどろりを危険で凶悪な
能力犯罪者、あるいは殺人鬼であると推察していたからだ。
そんなどろりが何故か、自らの能力を晒そうとしている。当然、千代子は警戒した。
千代子は前髪で隠した目から、妖怪沢どろりの真意を暴こうとした。
「表裏一体、ちょっとおでこ貸して。」
「オッケー☆」
どろりはそう言ってクラスメイトの表裏一体のおでこと自分のおでこをごっつんこした。
表裏一体はこないだ食べた激辛担々麺のせいで唇がタラコのようにパンパンに腫れていた。
どろりが唇に手を当てて言った。
「《裏表ラバーズ》。」
どろりがそう言うと、男のどろりはツインテールのきゃわいい女の子になった。
「これが僕の能力、おでことおでこをごっつんこした相手の能力を10秒コピーできる能力 《ODDs&ENDs》だ。」
そういうと周りが口々に反応した。
「おーめっちゃいいじゃん!!あたしの
《頓珍漢の宴》もコピってみよーぜー。」
場酔いを引き起こす能力、《頓珍漢の宴》を
持つ、千代子のクラスメイト、林は言った。
「……..。」
海街はどうでもよさそうにワイヤレス
イヤフォンで音楽を聴いていた。
「私の能力コピったらどろりくん死にかけるのかな…フヒッ。」
《親に恨まれ憎まれる能力》を持つ白雪ちゃんはそんなブラックジョークが言えるほど
皆と打ち解けていた。
千代子は、黙った。汗をだらだらと流しながら黙った。
(最悪、最悪中の最悪だ。最悪殺される
……..。)
ほんのちょっとかしこい千代子は気づいていた。
この能力の持つ危険性に。
どろりの能力《ODDS&ENDS 》は漫画や
アニメだと秒でわからされるほどのクソザコ能力だ。
なにせわざわざおでことおでこをごっつんこしないといけない上に、たった10秒しか
能力をコピーできないのだから。
しかしこの能力、相手の能力が分かってしまうのだ。
《擬態型》の千代子が絶対に隠し通したい
秘密、自らの能力を、どろりは知ることが
出来るのだ。
もし仮に自らの能力がバレ、どろりが
「こいつは俺たちのスマホの履歴を毎日
見てるぞー!!!!俺達が毎日見てるエロサイトもバレバレだぞー!!!!!」
とでも叫ぼうものならか弱いか弱い千代子ちゃんはクラス中の能力者達からわからされまくり、最悪死ぬ。
か弱いか弱い千代子ちゃんは小鹿のように
プルプルとした。
さて、何故どろりが今皆にこの能力を晒したのか?
皆と打ち解けるため?それも少々あるが
違う。
か弱いか弱いクソザコ千代子ちゃんをわからせるため?違う、全然違う。
どろりの目的は、自らの秘密、触れた人間を
溶かして消す能力《メルト》を隠すことだ。
どろりには三つの能力があった。
手のひらで触れた人間を溶かして消し、
この世から抹消する《メルト》。
おでことおでこをごっんこした相手を
10秒コピーし、相手の 能力が分かる《ODDS&ENDS》。
両手を隠していないいないすると
世界から自分を少しの間消せる
《ひとりんぼエンヴィー》。
どろりの能力の本質、現実改編を応用した
この三つの能力。
はっきり言ってクソザコである。
ヒトカゲにも分からせられるようなよわよわ能力である。
しかし能力犯罪者としては話が別だ。
この能力達を駆使し、周りの能力者と現代の
科学を応用すれば 能力者や現代科学を駆使した警察や探偵やロカ 先生にも、よっぽどヘマをしない限り犯行がバレずに済む。
どろりはこの能力達をかなしいことを消すために使っていた。
どろりはこの能力達で犯罪を侵した、あるいは犯罪を侵そうとした能力者およそ50人を
溶かして消した、能力犯罪者なのだった。
ただの高校生であるどろりがこのような
凶行を行ったことが良いことか悪いことなのかは読者であるあなたの判断に委ねる。
なぜならこの問題こそが 『BioTOPE』というお話のテーマ なのだから。
さて、話を戻そう。
どろりに能力がバレそうになりプルプル震えるかわいそうな千代子ちゃんは考えた。
これまでに得た情報と、今の状況をめちゃくちゃ頭の中でこねくりまわして考え、 行動に出た。
「どろり君ちょっと来て。」
「え、えぇ?」
突然、千代子はどろりの手を引っ張り教室を出た。
どろりは困惑して千代子にされるがまま
教室を出ていった。
「お、お?恋か?」
「恋が始まるのか?」
「はじまっちゃうかもねー。」
表裏一体達女子三人はそう言ってキャッキャウフフした。
これから始まるのは恋ではない。
能力者達の命を賭けた生存競争なのだ。
千代子は放課後の物置にどろりを誘った。
ウコチャヌプコロするのだろうか?
いや、違う。
千代子ちゃんはその影をパソコンのキーボードをカタカタするように叩いた。
するとどろりと千代子ちゃんは影の中の空間に引きずり込まれた。
(これは?海街の…..いや違う!!!これは
影縫先生の!!!!!!!!)
米津高校には七不思議と呼ばれる怪談が
あった。
その内の一つが《学校のどこかに開かずの
間がある。》という怪談。
その正体は、米津高校の理科教員、踏影架空恋慕先生の米津高校内の影を自由に行き来でき、米津高校の制服を着た者を自由に出し入れできる能力、《ハイド•アンド•シーク》 によって生み出された、影の空間だった。
《ハイド•アンド•シーク》は影踏先生の
(教室移動するときいちいち歩かないといけないのクソだるいんだよなー。)
という願いが形となったものだ。
影踏先生は合理主義者だった。
影踏先生は自らの能力をまるでプログラミングの ように構築し秘密の部屋にパスワードを かけた。
故に情報に長けた能力者でYoutube とかTiktok とかで頑張ってハッキングを覚えちゃった千代子ちゃんに出し抜かれたのだ。
千代子は影踏先生のPCをハッキングし、
影踏先生の秘密、休憩時間中にアニメを見たり漫画とかゲームをするためにこっそり作った秘密の部屋の入り方を 先生のパソコンから盗み出し、証拠がバレないようにこっそり隠蔽したのだ。
ここまで読めば勘の良い読者ならもう
お気づきかと思うが、千代子ちゃん、
結構な能力犯罪者である。
最悪、今までの犯行がどろりにばれたら
「他人の秘密を勝手に暴くのはよくない、
かなしいことだ。」
とギリギリメルトされるレベルの犯罪行為を
千代子ちゃんはしていた。
故に千代子ちゃんは勝負に出た。
「どろり、おでこ貸して。」
「え、ああ。」
どろりはおでこを差し出した。
千代子ちゃんは頭突きを繰り出した。
「痛!!!!?」
千代子ちゃんはどろりを撲殺しようとしているのか?それも違う。
千代子ちゃんはものすごい勢いでどろりの
口にチョコを突っ込んだ。
「ぐえぽっ!!!!!??????」
どろり、思いっきりむせた。
彼が一体何をしたというのだろうか?
たった50人ぽっちしか人を殺してない
どろりが、どうしてこんな目に合わねば
ならないのだろうか?
「なにすんだ!!!!….あれ?」
どろりが千代子を見ると千代子の頭に
スマホの検索履歴が並んでいた。
そこには
《最新のハッキング方法》
《しょたしょたしょたペロペロ》
という二つの文字が浮かんでいた。
「しょたしょた….しょたペロペロ?
なんだそれは?」
どろりが困惑していると
「しょたしょたしょたペロペロは今いいのッ!!!!、これが私の能力!!!!!ざっくりいうと
他人の秘密を暴く能力なの!!!!!!」
何故か分からないが顔まっかっかの千代子ちゃん。
しょたしょたしょたペロペロとは一体なんなのだろうか?
それはそれとして目を見開いてどろりは思った。
(秘密を……暴く……?)
それは能力によって完全犯罪を行うどろりの
天敵であった。
どろりは冷静に千代子の言葉を待った。
最悪、本当に最悪の場合。
クラスメイトで友人の千代子をこの手で
消さなければならないからだ。
「取引よ、どろり君。この能力であなたの知りたい人間の秘密を、学園最強のロカ先生以外なら暴いてあげる。だから、私の能力を
皆にばらさないで、そして私を殺さないで。」
千代子はそう言った。
どろりは2分ほど考えた、そして
「報酬は何円ぐらいかな?」
とどろりは千代子に聞いた。
千代子は言った。
「スーパーで売ってる超高級チョコレート
1個で良いわ。」
どろりは笑った。
「わかった。絶対に誰にも言わない。
約束する。」
こうして能力者二人の交渉が終わった。
二人は教室に帰ると
表裏一体達女子が二人をにやにやしながら
見て言った。
「えー☆二人とも遅かったじゃーん?
なになにーなに話してたのぉー?」
そこそこのウコチャヌプコロ経験者の林ちゃんは言った。
「どろりぃーちゃんとゴムはつけとけよー?」
「「違う!!!!!!そういうのじゃない!!!!!」」
どろりと千代子の二人は顔を赤くし、
口を揃えていった。
どろりはこの場を取り繕うために
「ちょっと…..能力で困ってる知り合いが
いるから見てやって欲しいと頼まれただけだ。僕は《ボランティア部》だからな。」
と、《擬態型》の能力者らしく嘘をついた。
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