💙side
めめの家に行かなくなって、ひと月が経とうとしている。俺は心の中にぽっかりと穴が空いてしまったような、無気力な日々を送っていた。
それでもなんとか自分を奮い立たせるべく、友人を誘ってご飯に行ったり、サウナに出掛けたりするが、どうも気が晴れない。
やっぱり俺にはめめが必要なのか。
めめの唇の感触を思い出す。
愛しそうに俺を見る目を忘れることができない。
甘い声が俺を呼んでくれた。
自分から遠ざかったはずなのにめめのことばかり考えてしまっている。
💚「翔太?どうした?なんか悩み事?」
💙「いや、なんでもない」
阿部ちゃんといると、空気感が優しくて落ち着く。今はこういう時間が必要なのだとそう無理やり思い込むことにした。
💚「あ、めめ。おはよう」
🖤「おはよう、阿部ちゃん。……しょっぴー」
💙「おはよ…」
阿部ちゃんの反応で、めめが来たことを知る。振り返らずに固まっていると、めめが遠ざかる気配がした。
気づかれないようにめめの方を見ると、隣りには笑顔のラウールがいた。
2人の距離感がいつもより近い気がして、俺はじっと見入ってしまった。未練がましいにもほどがある。
💙「………」
💚「翔太、練習始まるよ」
💙「ん」
笑って話す2人。
肩を組む、2人。
見慣れた光景のはずなのに胸が痛む。
変なの。
あんな年下の子供相手に、俺、何を嫉妬してるんだろう。ずっと胸の中がモヤモヤしている。
練習後。
めめが、俺のもとへとやって来た。
🖤「しょっぴー、あの」
💙「なに?」
食い気味に冷たい言い方になって、思わずハッとした。めめの目が傷ついている。
🖤「今夜なんだけど、ラウール、来るから」
💙「行かねぇよ」
🖤「……そっか、ごめんね?」
何度も謝るめめを押しのけるように、着替えに行く。
俺が悪いのに。
本当に俺、どうしたんだろう。
考えて、またほんの少し、不機嫌が上乗せされて、俺はさっさと着替えを済ませ、いつものようにサウナへと向かった。
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頑張れ、3人とも