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今から十年ほど前。
奏は高校二年の頃、音楽そのものが嫌になっていた時期があった。
吹奏楽部の練習。
そしてピアノで音大受験に向けて、月二回、響美学園音大の教授の元に通い、受験科目のレッスンを受け、更に練習を積む毎日。
自分で決めた事とはいえ、目まぐるしく音楽漬けの日々を送る奏は、精神的に病んでしまう所まで追い詰められていた。
何もかも投げやりになっていた時に出会ったのが、片品高校吹奏楽部OBの中野 祐樹だ。
彼は卒業しても吹奏楽部を訪れ、後輩たちの指導に当たっていた。
中野も同じトランペットパートだった事もあり、また当時から可愛いと言われていた奏を気に入り、彼から奏にアプローチして、彼氏と彼女になった。
恋人になったという事は、当然のように身体の繋がりも求められる事になる。
当時、処女だった奏は恐怖心もあった事から、なかなか首を縦に振らず、そういう雰囲気になっても、何とかごまかしてきた。
付き合ってから三ヶ月後。
痺れを切らした中野は、デートと称して奏を彼のアパートに呼び寄せた。
『奏。いい加減そろそろいいだろ?』
顎を掴み、貪るような強引なキスに奏は抗った。
『いっ……やぁっ!』
だが、男の腕力は当然強く、いくら腕を引き離そうと抵抗しても、びくともしない。
無理矢理押し倒され、服を剥ぎ取られ、全裸にさせられた奏は、それでも身体を捩らせながら抵抗を続けた。
もがき続けながらも、中野の舌は奏の全身を這いずり回り、秘部には太い指が埋め込まれる。
——気持ち悪い……。
強制的に中野に弄られているせいか、奏は率直にそう感じた。
『抵抗してる割には、すげぇ濡れてんじゃん』
下衆に笑う中野。
奏は、中野の手がこれ以上侵入できないように、脚をギュっと閉じ、彼の肩を目一杯の力で押し返そうとするが、がんとして動かない。
『奏。お前の処女、俺がもらってやるよ』
強引に脚を開かされ、グロテスクな男根を奏の中へ一気に突いた。
『いやあぁぁあぁぁっ!!』
奏は全身に迸る痛みに耐えながらも、腹の奥底から声を上げた。
処女の奏を気遣う事も一切無く、激しい律動で中野は突き貫く。
『痛いからやめて!! 嫌だぁぁあぁっ!!! いやぁぁああぁっ!!!!』
半狂乱になったように、奏は叫び続けた。
身動きが取れないように、身体をしっかりと押さえ込まれた奏が抵抗するのを諦めた瞬間、中野は呻きながら素早く自身を引き抜き、奏の腹に吐精した。
愕然としながらも、奏はベットリ付いた穢れを拭き取り、服をそそくさと身につけて中野のアパートを出ようとした時。
『やっぱり処女はいいな』
タバコをふかしながら中野が放ったその言葉に、奏は泣きながらアパートから走り去った。