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先生は更に端の方にナイフを走らせた後。

牡蠣の身に少しだけポン酢をかけて僕に渡す。


「1個くらいなら大丈夫でしょう。食べてみて下さいな」


いかにも牡蠣という感じの白い身。

しかし僕が知っている鍋用などとは、大きさが随分違う。


口の中に入れて噛みしめてみた。

間違いなく牡蠣だこれは。

ほんの少しの苦みとあふれる磯の香り。

そして遅れてくるうま味としか言い様の無い味。


「これは、かなり美味しいですね」


「数が取れたら焼いてみても美味しいと思いますよ」


「どれどれ、何処で捕った?」


皆さんが集合してきた。

結構暇していた模様だ。


「そこの岩、水面より下の部分です」


「ちょっと危ない場所かな。朋美さん、透里さん。監視とサポート頼める?」


朗人先輩が秋津女子2人に何かを頼んでいる。


「獲物山分けでいいなら」


「どうせ全員分狙った方がいいだろ。だから結果的には山分け」


透里先輩の言葉に、朗人先輩がそう言って頷いた。

そして次は透里先輩と朋美先輩で相談。


「朋美先輩、力はどの当たりまで使えます?」


「場所と方向を指示してくれれば、そこの岬一帯まで大丈夫です」


透里先輩は頷く。


「なら。そこの岩場からあの岬の頂点付近、そこまでは監視範囲で大丈夫です」


「ありがとう。頼みます」


朗人先輩はそう言って2人に頭を下げた。

監視とは何だろう。

何らかの安全措置だとは思うけれど。


「それでは範囲はここからあそこの奥の岩場まで。獲物は岩牡蠣ほか岩場の色々。採取するぞ」


という事で、朗人先輩と文明先輩と僕の他に雅先輩、それに川俣先輩と美洋さんまで参加の、岩場水面下探索が始まった。

でも。


「これはなかなかきついです。葉耶麻の海より波も流れもあるから、体力を使います」


美洋さん、早々と断念。

川俣先輩も水面に浮かんで探しながら手の届く範囲を見ている感じだ。

無理はしない方針らしい。


逆に攻撃的なのが文明先輩。

一気に底に潜ってささーっと岩場を見て、一度呼吸した後ささっと潜って裏側だろうが底だろうが確実に採取してくる。


僕や朗人先輩、雅先輩は基本は水面。

何かありそうな時にさっと潜って捕ってくる感じだ。

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