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何やら怪しい匂いがプンプンしますね〜 あ、花の香りか
シダレ…なにかあるのかな? 母親とシダレの対比で、シダレの優しさは暖かいんだな…って思いました! シダレくんが色々気になりすぎだし、また花言葉とかあるんだろうから調べよう
1歩、まった1歩と少しづつ歩いて行くとだんだん川の音が大きくなるのがわかった。
「橋渡るぞ」
と言うシダレの声と共に床が芝生から木に変わった。
真横から川の大きな音が聞こえ、目を開けたら川が見えると言う気になる気持ちと見てしまったら魚になってしまうほんの少しの恐怖心で
いつもより少し心臓の鼓動が大きく聞こえた。
するとなぜだか「ふっ」と笑う様な声が聞こえ
「別にそんな緊張しなくても平気だって!」
と続けてシダレが話した。
どうやら顔に出ていたみたいだった。
私はそう言われた事がなんだか恥ずかしく、耳は熱くなりつい顔を下げた。
それを見てたであろうシダレの少しからかった様な笑い声が聞こえた。
もう川の音が後ろから聞こえる様になってだいぶ経った頃
「よし!もういいな!目開けていいぞ!」
とシダレから声をかけられた。パッと手を離され前を見てみると
1つ1つが満開に咲いた花畑が広がっていた
思わずうっとりとしてしまうと隣りにいたシダレからこんな話があった
「サクラ、ここの花畑の花は触っちゃダメだからな。」
「え?な、んで…?」
「ここに咲いてる花は俺達のじゃ無いんだ。ここでも見えるってだけで俺達に贈られた贈り物じゃないからな。」
しゃがみながら間近で花を見つめて言っていた。
その雰囲気はどこか悲しそうで羨ましがる様な変わらぬ事実を認めてしまっているような。
ソメイに比べて子供らしい行動や言葉遣いをしているシダレには見えなかった。
酷く大人びていた。
私はそんなシダレをただ見ることしか出来なかった。
「よし!じゃあここに咲いてる花紹介してやるよ!」
と勢い良く立ち上がり私の手を引いて歩いて行った。
「まずはこれ!」
と花を指さした。
「これは…えっと…あ〜…待ってな…思い出す…」
そう言うとシダレは首を傾げながら一生懸命考えていた。
「あ!そう!思い出した!これはカーネーション!」
聞いた事あるな…と思い出してみたらアマガイに来る前の母の日にカーネーションの絵と母親の絵を描いてプレゼントした事があるのを思い出した。
その時は「あんたもこう言うのやるんだ。」と乱雑に頭を撫でられた事を今でもうっすらと覚えている。
その事から私はシダレに
「カーネーション…し、てるよ!」
と褒めて欲しくて伝えてみたら
「えぇ!知ってんのか!すげーな!」
と優しく頭を撫でてくれた。
嬉しさからか心がぽかぽかと暖かい気持ちになり分かりやすくルンルンになっていると
可愛らしい物を見る様に微笑んだシダレが
「じゃあこれは知ってるか?」
とカーネーションの近くに咲いていた草の様な物を指さした。
なんだろう?と首を傾げる私に少しドヤっとした声色で腰に手を当て
「これはかすみ草!アマガイだとカーネーションとペアみたいな物なんだぞ!」
と少し子供らしく説明してくれた。
さっき見たシダレは見間違いだったかも知れないと思ってしまうほどに。
その他にも色々な花を説明してくれた。スターチスにリンドウ、トルコキキョウ。
どれも綺麗な花だった。
最後の花は「とっておきだ」とシダレの前フリと共に紹介された。
「これは菊の花!」
「菊の、花…?」
「そう!綺麗だろ?こっちの花畑の目玉みたいな花なんだぞ!」
と紹介してくれてるシダレを横目に、菊の花を見る。
菊の花びらはこちらも明るくなれそうな眩しい黄色でつい見とれてしまいそうになる。
すると突然
「サクラ!そろそろ帰るぞ!」
と菊の花を見始めてそんなに経っていないのにシダレがそんな事を言い始めた。
「そろそろ帰んないとあっちに着く頃には夜になっちまうぞ」
と言われ、 それならしょうがないとまた来た道をシダレと一緒に歩きだした。