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✿緑視点
何となく、ほんまに何となくやけど
あっとがまぜ太を見る目が俺らを見る時と少し違うような気がしてた
「・・・」
俺の問いかけにあっとは何も答えない
「あ、いや・・・ないんやったらええんやけど」
無言の中、この空気に耐えられんくて
早々に話題を切り上げようとした
「あるよ、隠し事・・・てか隠さざるを得ないっていうか・・・」
「あ、やっぱりか」
「何で分かったの?」
あっとが不思議そうに俺を見る
「うーん・・・あっとの隠し事が俺の想像通りやとしたら・・・俺も同じやからとしか言えんわ」
「え?同じ?ぷりも・・・?」
「そうやで」
あっとはますます訳が分からないって顔をしている
「いずれ話すわ、今はみんなのとこ戻ろ? あっきぃ達も心配してる」
「うん、ごめん」
「ええよ、辛くなったら俺を頼ってくれ!」
「ふふっうん、ありがとう」
そう言ってあっとは笑ってくれた
そしてその後俺たちは、さっきまでのみんなのいる部屋に2人で戻った
今はこれでいい
あっとに無理やり話させる必要も、俺の話も今はまだお互いにしなくていい
声に出すと止まらなくなってしまいそうやから
今ならまだ俺たちは、隠し切れるかもしれんから
この気持ちが溢れてほんとうにどうしようもなくなるまでは・・・
今はまだ、このままで。