コメント
2件
亜矢子チャン🤣その気持ち分かる‼️分かるで〜🤣美月チャンと海斗さんのこれからを、一緒に見守りましょう⤴️⤴️⤴️😆💕💕💕キャァー
美月ちゃんのおかあさんもお父さんの死去やりがいのある仕事があってお元気になってよかった❣️亜矢子さんも美月ちゃんといいコンビ🤭で、前のめり具合がハンパなくて素直で好感が持てます💕で、大好きな芸能人の海斗さんと知り合ったその後が気になる様子〜🌸
なんとか出かける準備を終えると美月はアパートを出た。
実家までは歩いて二十分だ。
父が自宅で闘病中も通いやすいようにと、実家と同じ町にアパートを借りていた。
実家に住むことも考えたが、母が家でパッチワーク教室をやっていた為、
美月はアパートに住む事に決めた。
父がの病中はパッチワーク教室も休業していたが、最近また再開した。
父の死後、美月の母は心配なくらい気落ちしていたが、
教室を再開して生徒さん達と交流するようになると、再び元気を取り戻した。
やはり年をとっても生きがいになるようなものは持っているべきだ。
母はまだ若いので、これからは自分の人生を精一杯楽しんでもらいたい…美月はそう思っていた。
実家に着くと、美月はリビングへ入る。
「ただいま」
「おかえりなさい。お昼ご飯できているわよ」
「うん。ありがとう」
「あなた今日は亜矢子ちゃんと夜出かけるんだっけ?」
「うん、そう。亜矢子とは四ヶ月ぶりかなぁ」
「亜矢子ちゃんのところのお子さん、もう三歳くらい? かわいい盛りでしょうね」
「そうだね。そろそろ幼稚園の事を考えなくちゃとか前に言ってたなぁ」
「子供が成長するのはあっという間ね。子育てはストレスもいっぱいあるから今夜は色々話を聞いてあげなさいよ」
「うん、わかってる」
そんな会話をしながら、美月は母が作ったちらし寿司を口いっぱいに頬張った。
そしてしばらくの間、母娘でのお喋りを楽しむ。
その後、亜矢子との約束の時間が近づいてきた美月は、実家を出て駅へ向かった。
今夜はイタリアンの店を予約している。
久しぶりの女子会なので楽しみだ。
地下鉄の階段を下りてホームへ行くと、仕事帰りの人で混雑していた。
(そう言えばあの人に写真を送らなくちゃ)
美月はふと思い出す。
実は美月がまだ海斗に写真を送らない理由は、この前海斗に見せた携帯の写真ではなく、
パソコンへ保存している月の写真を送ろうと思っていたからだ。
パソコンに保存してある写真の方が精度が高い。
どうせ送るなら、自分の中で一番の写真を送りたい…そう思っていた。
そして普通の月の写真以外に、『地球照』が写った月の写真も送ろうと思っていた。
海斗は地球照に興味を示していたので、どうせなら一緒に送ってあげようと思った。
二枚の写真は、画像加工を加えてさらに美しい写真に仕上げたい。
そう思った美月は、明日の夜写真の処理をして送ろうと思う。
ぼんやりとそう思っていると、やがて電車は目的の駅へ着いた。
駅を出てすぐに予約していた店へと向かう。
美月が店に入ると、既に亜矢子は来ていた。
「ごめん、お待たせ!」
そう言って美月は亜矢子の向かいに座った。
「うん、私も今来たところだよ。今日は実家に寄ってきたの?」
「うん、午後からちょっと顔を出してきた」
「その後、おば様どう?」
「心配ありがとう。もうすっかり元気になったよ。パッチワーク教室を再開してまた賑やかになってきたから、しょぼくれてい
る時間もないみたい」
「そっかーそれは良かった。やっぱり仕事や趣味って大事なんだねぇ。私も子供がもうちょっと大きくなったら何かやるぞー
っ!」
「亜矢子は無理に急がなくてもいいよ。亮くんが小さいうちはしっかりママしてあげなよ」
「うん、だよね。でもさぁ、わかってはいるんだけれど、やっぱり毎日家にいると刺激がないのよ」
そう言って亜矢子はワインを一口飲んだ。
「毎日変な刺激だらけの日々も辛いよ」
と美月が言った。
「えっ? 美月の職場のあの先生、相変わらずなの?」
「うん、ほんと変な刺激だらけだよー」
と言って美月が苦笑いした。
「確か食事のメインは炭酸飲料とアイスクリームなんだよね」
「そう。今も毎日食べてるよ」
「あとは、履き古したストッキングが教室の棚から出てくるんだっけ?」
「うん。最近は、何年も前の未払いの国民年金の納付書が棚から出て来た!」
美月がそう言うと、亜矢子は大笑いした。
「天使のように綺麗な先生なのにね。本の出版も三冊目が出るんだっけ?」
「うん、今それでかなりイライラしているから周りは大変よ」
「ふーん、華やかな世界には複雑な裏事情があるものなんだね」
そう言って亜矢子はグラスのワインを飲み干す。
「それよりも美月、なんかあった? なんかちょっと明るくなったような?」
「えっ? 特に何もないよ、ひどいなぁ…それって私が相当根暗みたいな言い方!」
そこでまた二人は笑った。
「そんな意味で言っていないよー。なんかちょっと前とは違うなぁと思っただけだよ」
「そう? でもね、最近ちょっとびっくりするような事はあったんだ」
「なになに? 教えろー。刺激の足りない専業主婦に逐一全部報告せよ!」
そういって亜矢子は美月ににじり寄った。
「うん、なんかね、芸能人と知り合いになったの」
「えーっ? 誰? 誰? なにそれーっ! 誰と知り合いになったのよー!」
亜矢子はまくしたてて美月に言った。
「『solid earth』ってグループ知ってる?」
「もちろん知ってるよ。超有名! うちの姉貴が若い頃ツアーのおっかけやってたし! えっ? もしかして『solid earth』
の人と知り合ったの?」
亜矢子は前のめりになって興奮していた。そこへ頼んでいた料理が届いた。
「とりあえず、これ取り分けようよ!」
そう言って美月は小海老のサラダを小皿に取り分ける。
「そんなの後でいいっ! 続きを話しなさいっ! 『solid earth』の誰と知り合ったの?」
亜矢子に問い詰められた美月は観念したかのように答えた。
「ボーカルの沢田さん」
と言うと亜矢子が
「キャーッ!」
と叫んだ。
すると隣のテーブルの人達が一斉にこちらを見た。
それに気づいた美月は、
「亜矢子声大きい!」
と言ってしーっというポーズをとった。
「だって興奮するわよぉ! ボーカルの沢田さんって言えば一番人気だもん。イケメンだし声は力強く男の色気もある! 曲作
りは天才だし、CMソングでもしょっちゅう起用されているでしょう? おまけに独身! 最近はテレビには出ないけれど、コ
ンサートは今でもチケット取れないみたいだよ。うちの姉貴も苦戦していたし。で、なんで知り合ったの? どうやって知り合
ったの?」
亜矢子が更に前のめりになって迫ってきたので、美月は出逢った経緯からラーメンを一緒に食べたところまでを正直に話した。