「今度こそ!」
スマホを両手で持ち、真っすぐ見つめ意気込む。
スマホにはここ数日、考えに考えた文章が撃ち込まれている。
「――やっぱり無理だ……」
でも、どうしてもあと一歩のところで送信ボタンを押すことができず、スマホを手放し机にうつ伏せる。
「あー、もうウザい。まだ送れてないの?」
うつ伏せる私の隣で麻美が呆れたように深いため息をついた。
「分かってるわよ。分かってるけど……」
恨めしそうに横目で麻美を見る。
「分かってるなら、さっさと送りなさいよ。朝から何回もそのシーン見ているこっちの身にもなってよ」
自分でも呆れるくらい根性がないと思う。
いざ滝井さんにきちんと自分の気持ちを話そうと、会うためにメッセージを送るだけなのにそれすら送れず今に至るわけで。
それを何度も何度も近くで見せられていたら、麻美も小言の一つも言いたくなるのも分かる。
「それとも何?滝井さん***************
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